(追記あり)日医工のマネーゲームについて
日医工の続きです。
東証プライム上場の日医工(4541)は上場廃止を予定しています。一般株主は1株36円で強制買取です。発表直前の株価が380円だったことで急落しました。
15日、16日と2営業日連続でストップ安になり、本日17日は制限値幅(下限)が4倍に拡大しました。通常であれば80円ストップ安で止まるのですが、4倍に拡大されて最大320円値下がりします。
16日終値が220円だったので、下がるのは1円までです。
日医工2022年11月17日5分足チャート
始値66円、高値71円、安値55円、終値58円、出来高5436万7300株
当日の5分足チャートです。買取価格36円まで値下がりしませんでした。上場廃止まで時間があることやマネーゲームの参加者が株価を押し上げているようです。
しかし、チャートを見ると、右肩下がりとなっているので、俗に言う「バケツリレー」の状態です。日医工を買った株主が買値より安い値段で別の投資家に売り、次の投資家も買値より安い値段で売る。含み損の株がバケツリレーのように流れています。
日医工のマネーゲームの考え方について
日医工を17日にデイトレードした場合、ほとんどの投資家が負けてしまいました。おそらく、賢い投資家(投機)は、別の考えで日医工を買っていると思われます。
日医工は倒産株と異なり、上場廃止まで時間があるので、売買最終日まで保有し続けることができます。それまでに一度でも株価が上昇すれば勝ちです。
仮に買値より値上がりしなくても、最悪のケースで36円で買い取ってもらえます。もし、50円で買った株が100円になれば、投資資金が2倍に増えます。損したときは-14円だけです。
(儲けた場合)売値100円-買値50円=+50円
(損した場合)売値36円-買値50円=-14円
同様の事例で上場廃止になった銘柄に佐渡汽船(9176)がありました。佐渡汽船の買取価格は30円です。
佐渡汽船は発表直後に45円まで値下がりした後、230円まで上昇しました。マネーゲーム参加者は、佐渡汽船のような急騰を期待しているのでしょう。うまくいくと良いですね。
(追記)2022年12月1日5分足チャート
始値244円、高値247円、安値125円、終値130円、出来高6866万3300株
マネーゲームが盛り上がり、安値48円(11/21)から高値247円まで上昇しました。5.15倍になっています。
ただ、この日は激しい値動きでした。11月30日終値205円だったため、上下に80円動く可能性がありました。
買い気配で始まり、9時12分に244円で寄り付きます。しかし、高値247円をつけた後で失速。売り注文が殺到して219円に急落し、そのまま売り気配です。
5分足チャートが途中で消えているのは、売りが多すぎて短期投資家が逃げられなかったからです。高値づかみの怖さを実感できます。
142円で下げ止まり、一時は203円までリバウンドします。しかし、勢いもそこまで。右肩下がりの下落になり、80円ストップ安の125円をつけました。結局、この日は130円で取引を終えます。
株価の急落に巻き込まれた人は生きた心地がしなかったでしょう。売り時の難しさがわかります。