東芝のTOBによる上場廃止と配当金、株主の今後について(TOB価格4,620円)
東芝が上場廃止になる理由について
2023年3月23日、投資ファンドの日本産業パートナーズは、東芝(6502)に対してTOB(株式公開買い付け)を行うと正式発表しました。
投資ファンド等が東芝の株を全部買い取って非公開にするため、東芝は上場廃止になります。
TOBの条件について
(1)TOB価格・・・4,620円
(2)TOB期間・・・未定(2023年7月下旬開始予定)
(3)決済の開始日・・・未定
(4)買付予定株数・・・上限なし、下限:2億8856万4300株
(5)証券会社・・・SMBC日興証券
(6)配当・・・無配
TOB価格4,620円、TOB期間は未定で2023年7月下旬開始予定(30営業日)です。手続きが順調に進むと、東芝は上場廃止になります。これに伴い、2023年3月期の期末配当が無配になります。
東芝の株主はTOBに参加して1株4,620円で買い取ってもらうか、もしくは株価が4,620円に近づいたら株式市場で売却できます。
東芝の今後の株価について
3月24日終値4,390円。株価がTOB価格にサヤ寄せしました。
株価4,390円÷TOB価格4,620円×100≒95.02%
過去の事例では、上場廃止予定の銘柄の株価は、TOB価格の99%~99.5%で推移することが多いです。
ただし、発表からTOB開始まで時間が空くと、株価が割安で推移するケースがあります(例:日立金属、日立物流など)。東芝はこちらに当てはまるようです。
TOBに参加するメリットについて
メリットはTOB価格4,620円で買い取ってもらえること、手続きを経験できることです。
具体的には、東芝の株を購入した証券会社からSMBC日興証券へ移管して(移動して)売却します。詳細なスケジュールは後日発表されます。
東芝の配当金について
2023年3月期の配当金については、TOB実施に伴い無配になります。前回予想および前期実績ともに1株70円でした。
東芝の今後の株価について
東芝月足チャート
月足チャート5年分です。TOB価格の水準に黄色の線を引いています。以前から買収の動きがあり、株価も乱高下しています。
TOB価格より低い水準で買った方は含み益、高い水準で買った方は含み損の状態です。仮に東芝の上場廃止が決定すると、株主の損益も確定します。
(1)含み益の投資家・・・TOB参加
(2)資金回収を急ぐ投資家・・・いつでも売却可能
(3)含み損の投資家・・・TOB価格引き上げに期待
(1)TOBに参加するにはSMBC日興証券の口座が必要です。口座がある方は試してみてください。2023年7月下旬開始予定ですから、これから口座を準備しても間に合います。
(2)株価がTOB価格にサヤ寄せし、いつでも売却できます。
(3)ここは政治的な要素が絡む企業ですし、正式発表まで時間がかかりました。ダメ元で期待したいです。