協栄産業のTOBによる上場廃止と配当金、株主優待、株主への影響について（TOB価格3,950円、手続きはSBI証券）

2025.05.30

2025年5月30日、東証プライム上場の加賀電子（8154）は、スタンダード上場の協栄産業（6973）に対してTOB（株式公開買い付け）を行うと発表しました。

TOBによる協栄産業の上場廃止の理由

加賀電子は、協栄産業の残りの株式をすべて買い取って非公開化するため、協栄産業は上場廃止になる予定です。

協栄産業の株主は、TOBに応募して保有株を売却するか、株式市場で売却することもできます。

協栄産業のTOBの条件とスケジュール

1. TOB価格：3,950円
2. TOB期間：2025年6月2日（月）から7月11日（金）まで（30営業日）
3. 決済の開始日：2025年7月18日（金）
4. 買付予定株式数：上限なし、下限1,187,442株
5. 買付代理人：SBI証券
6. 配当：TOB成立を条件に無配となる予定
7. 優待：TOB成立を条件に廃止される予定

協栄産業の株価の今後の見通し

5月30日の終値は2,227円でした。TOB発表後に株価はTOB価格に向かって上昇する動きが予想されます。その後、上場廃止まで横ばいが続くと考えられます。

協栄産業のTOBに応募するメリット

協栄産業のTOBに応募するメリットは、TOB価格の3,950円で売却できることです。

具体的には、協栄産業の株式を保有している証券会社から、SBI証券へ移管し、売却の手続きを行う必要があります。

SBI証券の公開買付手続きについて

・ログイン→受付中のTOB→協栄産業を選択

SBI証券にログインして、協栄産業を選択してください。

TOBに応募すると、2025年7月18日以降に買付代金が支払われる予定です。SBI証券で売却するときの手数料は無料です。

現在の株価はTOB価格（3,950円）を下回っているため、TOBに応募すれば利益を確定できます。投資金額をできるだけ多く回収したい株主は、TOBに申し込むと良いでしょう。

協栄産業のTOBによる配当への影響

2026年3月期の配当の詳細

・中間配当（2025年9月）：無配
・期末配当（2026年3月）：無配

協栄産業は3月決算の企業です。毎年9月末に中間配当、3月末に期末配当の権利確定日があります。

2026年3月期の配当については、中間配当および期末配当ともに、TOB成立を条件に無配となる予定です。2025年5月13日時点の配当予想は、中間配当が1株当たり55円、期末配当も1株当たり55円でした。

ただし、配当がなくなるのはTOB成立が条件ですから、不成立となった場合は配当が支払われる可能性もあります。

協栄産業のTOBによる株主優待への影響

2026年3月優待の詳細

(1)対象となる株主：2026年3月31日現在の株主名簿に記載または記録された、100株以上を保有する株主
(2)株主優待の内容
・ 100株以上：QUOカード1,000円分（3年以上：2,000円分）
・ 500株以上：QUOカード2,000円分（3年以上：3,000円分）
・ 1,000株以上：QUOカード3,000円分（3年以上：5,000円分）

2026年3月末に権利が確定する優待は、TOB成立を条件に廃止される予定です。2025年3月末の優待が最後となります。

ただし、優待が廃止されるのはTOB成立が条件ですから、不成立となった場合は優待が実施される可能性もあります。