農業総合研究所のTOBによる上場廃止と配当金、株主優待、株主への影響について(TOB価格767円、手続きは楽天証券など)
東証プライム上場のSOMPOホールディングス(8630)は2025年12月25日(木)に、子会社であるSOMPO Light Vortexを通じて、東証グロース上場の農業総合研究所(3541)に対し、株式公開買い付け(TOB)を実施すると発表しました。
農業総合研究所のTOB(株式公開買い付け):非公開化による上場廃止
このTOBは、SOMPO Light Vortexが農業総合研究所の株式を取得し、同社を非公開化することを目的としています。TOBが成立し、その後の一連の手続きが完了すれば、農業総合研究所は上場廃止となる見込みです。
農業総合研究所の株主が保有株を売却する方法は、指定の証券会社(みずほ証券または楽天証券)を通じてTOBに応募する方法と、株式市場で直接売却する方法の2つの選択肢があります。
TOBの条件とスケジュール
1. 買付価格(TOB価格):767円
2. 買付期間(TOB期間):2025年12月26日(金)から2026年2月16日(月)まで(30営業日)
3. 決済開始日:2026年2月24日(火)
4. 買付予定数(下限):10,688,800株
5. 公開買付代理人:みずほ証券、楽天証券(復代理人)
6. 配当:TOB成立を条件に無配となる予定
7. 優待:TOB成立を条件に廃止される予定
農業総合研究所の株価見通し
TOB発表前(12月25日)の終値は514円でした。TOB価格の767円は終値を上回るため、発表後はTOB価格にサヤ寄せする形で株価が上昇し、上場廃止になるまで767円近辺で推移すると見込まれます。
TOBに応募するメリット
農業総合研究所のTOBに応募するメリットは、株価の変動を気にせずに、TOB価格の767円で株式を売却できることです。
具体的には、農業総合研究所の株式を保有している証券会社から、みずほ証券または楽天証券へ移管し、応募手続きを行う必要があります。
TOBが成立した場合、2026年2月24日以降に買付代金が支払われる予定です。
TOBによる配当への影響
農業総合研究所は8月決算企業です。2026年8月期の配当(中間・期末)については、TOB成立を条件に無配となる予定です。
不成立となった場合は、配当が再度検討される可能性があります。
TOBによる株主優待の影響
農業総合研究所の株主優待は、みかんおよび新米です。毎年8月末の株主は年1回、優待が受け取れます。
2026年8月末に予定されていた株主優待は、TOB成立を条件に廃止となります。TOBが不成立となった場合は、従来通り優待が実施される可能性があります。
なお、優待が廃止された場合でも、2025年8月末に権利が確定した優待は実施され、順次発送されます。
農業総合研究所のTOBと株主への影響
TOB価格の767円は、2025年8月の高値である763円を上回る水準です。これにより、多くの株主にとって有利な価格で利益を確定できる状況となります。農業総合研究所の上場廃止が決定することで、株主は保有株式の売却により最終的な損益を確定させることになります。
投資家が検討するポイント
(1)含み益がある場合:TOBに応募することで利益を確定できる
(2)資金を早急に確保したい場合:TOBの決済日を待たずに、株式市場で売却できる
(1)TOBに応募するには、原則として、みずほ証券または楽天証券の口座が必要です。口座がある方は応募手続きをご確認ください。
12月26日(金)と29日(月)はストップ高比例配分となる可能性があり、株価がTOB価格付近で落ち着くと見込まれる30日(火)以降、株式市場での売却が検討できます。








