レオパレスの業績下方修正(黒字→赤字)と入居率を改善する方法について
レオパレスのホテル売却と株主優待の変更についての続きです。
11月7日朝、東証1部上場のレオパレス21(8848)が2020年3月期決算の業績下方修正を発表しました。
・業績予想を1億円の黒字から304億円の赤字に
・入居率低下で逆ざや発生
・1Kに人数制限(1名のみ)をかけてみてはどうか?
レオパレス21:2020年3月期第2四半期・通期決算
・売上高:5022億円(予想)→4473億円(修正)
・営業利益:22億円(予想)→△280億円(修正)
・経常利益:13億円(予想)→△278億円(修正)
・当期純利益:1億円(予想)→△273億円(修正)→△304億円(11/8修正)
売上が1割減って、利益を黒字予想から赤字に修正しました。前期(2019年3月期)は686億6200万円の赤字でしたから、その金額より赤字が少ないです。しかし、業績が悪いことに変わりません。
サブリース契約と逆ざやについて
レオパレスは、オーナーにレオパレスの物件を建ててもらって、その物件を借りて入居者に貸しています。
オーナー(物件)→レオパレス(賃貸)→入居者(転貸・又貸し)
入居者に部屋を貸すと、入居者から賃料が入ります。
入居者(賃料)→レオパレス(家賃)→オーナー
レオパレスは入居者から賃料をもらい、オーナーに家賃を支払うことで、その差額が利益になります。
しかし、入居者が減って賃料がもらえなくなると、オーナーには空室でも家賃を払わなければならないので、その差額が損失になります。これが、逆ざやです。
レオパレスの場合、入居率が80%を切ると逆ざやになると言われています。
一部報道によると、直近のデータで、すでに80%を切っているとのことです(※8日に会社側が正式に発表しました)。入居率を改善しないと、会社から資金が流出し続けることになります。
入居率を改善する方法について
1K(ワンルーム)に人数制限(1名のみ)をかけてみてはどうか?
【賃貸契約】
契約の部屋間取りに応じて、以下人数の入居が可能です。
・1K(ワンルーム)、1DK、1LDKの部屋は契約者を含め2名まで
・2K、2DK、2LDK以上の部屋は契約者を含め4名まで
・3LDK以上の部屋は契約者を含め6名まで
【マンスリー契約】
部屋利用の契約プランに応じて以下人数の入居が可能です。
・マンスリープラン、短期プランにて部屋利用の場合、契約者含め3名まで
・学割プランにて部屋利用の場合、契約者含め2名まで
(レオパレス「よくある質問」より)
単身者向けアパートで有名なレオパレスですが、実は、大人3名まで1K(ワンルーム)に住むことができます。
大人2人、大人3人、大人2人子供1人などの組み合わせもOKです。1部屋に複数人が住めるので、実質的な賃料の値下げを行っています。
同じ物件に生活スタイルが異なる住人がいると、トラブルの元になります。特に、レオパレスは物件に問題を抱えていますから、騒音トラブルは無視できない状況でしょう。
上記の規約を見ると、短期契約の入居者ほど優遇されているため、長期契約の利用者が不利です。
普通のアパートなら、入居者の回転率を上げると、敷金礼金などで利益が生まれます。
しかし、レオパレスは敷金礼金を取らないので、回転率を上げても、さほど儲かりません。1部屋に2人で住んでも、賃料は2倍になりません。
レオパレスに物件を貸しているオーナーは、レオパレスから受け取る金額は決められていますし、複数人で部屋を使われると物件の劣化が早くなります。
1K(ワンルーム)を1名限定とし、2人以上で使っている入居者には、もう一部屋借りてもらうか、2部屋以上の物件に引っ越してもらって、部屋ごとの騒音レベルを一定にすると、少しは入居率改善につながるのではないでしょうか。
物件の改修工事には、お金がかかりますが、人数制限の変更は利用規約を変えるだけなので始めやすいと思います。