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花月園観光の上場廃止とマネーゲームのコツ(1)

時価総額10億円割れで上場廃止危機の企業8社の続きです。

今回のポイント

・花月園観光が11月1日上場廃止、売買最終日10月31日
・9月25日取引終了後に上場廃止がわかっていた
・マネーゲームのときは、大株主の売りに注意する

9月30日、東証2部上場の花月園観光(9674)の上場廃止が決定しました。11月1日上場廃止、売買最終日は10月31日です。

株主は10月31日までに保有株を売却しないと、株式市場で売ることができなくなります。

花月園観光は、時価総額(株価×発行済み株式数)が決められた水準を満たしていないため、リーチがかかった状態でした。

9月末の時価総額および9月月間平均時価総額がともに10億円以上にならないと、上場廃止が決定します。

花月園観光の発行済み株式数は176万6600株で、10億円に必要な株価は567円です。

・2019年9月30日時価総額:7億5257万1600円(株価426円)
・2019年9月月間平均時価総額:8億9427万1516円

9月末時点の時価総額、9月月間平均時価総額ともに、10億円未満となりました。

花月園観光の結果は、いつわかったのか?

「9月末の時価総額と9月月間平均時価総額の両方が10億円以上」のハードルは、花月園観光にとって、とても高いものでした。

日本の株式市場には値幅制限があるので、1日に上昇する株価には限界があります。

花月園観光のケースでは、最短で9月25日取引終了後に「上場維持or上場廃止」の結果を知ることができました。

少しわかりにくいので身近なケースで紹介します。

例えば、入試で国語・数学・英語・理科・社会を毎日1科目ずつ、順番に受験するとします。各100点の計500点満点で、足切りが平均60点の計300点です。

・国語30点(9月20日)
・数学30点(9月24日)
・英語20点(9月25日)
・理科50点(9月26日)
・社会50点(9月27日)
・合計180点

受験後すぐに自己採点で点数がわかるとすると、英語が終わった時点で、足切りをクリアできないとわかります。仮に、理科と社会が100点でも、300点に届きません(合計280点)。

花月園観光の場合は平均60点ではなく、月間平均時価総額10億円です。25日の取引が終わったときに、10億円クリアは無理とわかり、東証による上場廃止の発表待ちになっていました。

花月園観光日足チャート

10月1日終値346円。前日比80円ストップ安でした。

上場廃止決定前から株価が下がっています。廃止リスクを避けるために売っていたのでしょう。

ただ、他の上場廃止銘柄に比べて、株主は非常に恵まれています。ストップ安になっても、売りたい値段で売れるので、株主は、かすり傷程度で逃げることができました。

株価に影響を与える要因をチェック

株価上昇 株価下落
(1)スポンサー決定 (3)大株主の売却
(2)上場維持 (4)倒産

マネーゲームのときに紹介する、いつものテンプレです。

(1)スポンサー決定は、花月園観光を支援する企業が現れた場合です。ウワサでも株価が上がることもあります。

(2)上場維持は、花月園観光の上場維持がささやかれ始めた場合です。今回はないでしょう。

(3)大株主の売却は、(1)の支援とは逆に、大株主が保有株を売却するときです。花月園観光は、東京ドーム、横浜銀行など、有名な大株主が存在します。実際に売却したとき、または売却の発表でも株価が値下がりすることがあります。

(4)倒産は、企業が倒産する場合です。花月園観光が倒産するというわけではありません。一般論です。

万が一、倒産すると、売り注文が殺到して、再度、売り気配になります。

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