オルツの倒産による上場廃止とマネーゲームについて(2025年8月31日廃止)
オルツが上場廃止になる理由について
2025年7月30日、東証グロース上場のオルツ(260A)が倒産(民事再生)しました。
これにより、東京証券取引所はオルツの上場廃止を決定しました。オルツは2025年8月31日(日)に上場廃止になります。売買最終日は8月29日(金)です。
オルツの残りの営業日を確認する
7月(1営業日)
31日
8月(20営業日)
1日、4日、5日、6日、7日、8日、12日、13日、14日、15日、18日、19日、20日、21日、22日、25日、26日、27日、28日、29日
2025年7月と8月を合わせると、残りは21営業日です。ただし、売り注文が殺到すると、売りたくても売れない状況になります。
倒産前の30日終値は54円でした。31日は30円ストップ安の24円になる可能性があります。
オルツに関しては、有価証券報告書の虚偽記載により、東京証券取引所が7月25日から監理銘柄(審査中)に指定していました。
オルツの株主の中には、上場廃止リスクを避けて、すでに売却済みの方もいらっしゃるでしょう。
倒産前の株主は、できるだけ早く売却して損切りすることをオススメします。
オルツの倒産後の値動き
倒産が発表された30日と、倒産後の31日の5分足チャートです。
31日は売り注文が殺到し、気配値は3分おきに5円ずつ切り下げました。このままストップ安売り気配で張り付くかと思ったところ、9時14分に全株一致で29円で寄り付きます。予想外に高い価格で寄り付きました。
マネーゲームの参加者は、損失を避けるために買値をあらかじめ設定しています。SNS等でよく見かける「1円なら買うよ」というコメントも、「1円で買えれば同値撤退が可能で負けにくい」という意図が込められています。
倒産企業であれば、買値は1桁、奮発しても10円台が理想です。
オルツの場合、高く寄りすぎた株価は大きくリバウンドすることなく、右肩下がりで下落します。この現象を俗に「バケツリレー」と言います。
含み損を抱えた株主が損切りで売却し、次の投資家に株式が引き継がれます。次の投資家も含み損を抱えて売却し、別の投資家へ株式が引き継がれます。水の入ったバケツのリレーと、含み損の株式のリレーが似ていることから、バケツリレーと呼ばれています。
オルツの株価は、10時13分にストップ安の24円となり、11時3分から売り気配。引けは比例配分となります。取引終了時点で200万株超の成行売り注文が残っています。
取引開始直後の29円がこの日の寄り付き価格でしたが、一時的に30円まで上昇した後に下落に転じ、この30円が日中の高値となりました。
倒産後、29円という予想外に高い価格で寄ったことにより、倒産前の株主の一部が損失を限定的に抑えて売却することができ、マネーゲームの参加者がその損失の一部を肩代わりする形となりました。
8月22日
始値10円、高値20円、安値9円、終値12円、出来高65,076,300株
上場廃止1週間前になり、ようやくマネーゲームが始まりました。前日比5円高の10円で始まり、株価が上昇します。10時2分に前場の高値18円をつけました。
その後は落ち着き、後場にもう一度上がります。13時55分に高値20円まで上昇。21日の終値が5円だったため、1日で株価が4倍に急騰しました。
しかし、その後は失速し、取引終了が近づくにつれて利益確定売りに押され、12円で取引を終えました。
オルツ日足チャート
倒産前から売買最終日までの日足チャートです。売買最終日の8月29日は上場廃止前の処分売りによって安値4円まで下落しました。1円売り気配とならず、希望する株主はすべて損切りを行うことができました。
マネーゲームは1回のみでした。8月22日は高値20円まで上昇し、25日は19円まで上昇しました。同時期にアルファクス・フード・システムは何度も株価が上昇しているため、倒産株は敬遠されてしまったようです。