フジテックのTOBによる上場廃止と配当金、株主優待、株主への影響について(TOB価格5,700円、手続きはSMBC日興証券)
2025年7月30日朝、欧州の投資ファンドEQTは東証プライム上場のフジテック(6406)に対して、TOB(株式公開買い付け)を行うと正式に発表しました。
TOBによるフジテックの上場廃止の理由
投資ファンドは、フジテックの経営の自由度を高め、短期的な株価変動にとらわれず長期的な視点で事業改革を進めるため、一般株主の株式をすべて買い取って非公開化する方針です。これにより、フジテックは上場廃止となる予定です。
フジテックの株主は、TOBに応募して保有株を売却するか、あるいは株式市場で売却することもできます。
フジテックのTOBの条件とスケジュール
1. TOB価格:5,700円
2. TOB期間:2026年1月下旬開始予定(20営業日)
3. 買付予定株式数:上限なし、下限45,520,881株
4. 買付代理人:SMBC日興証券
5. 配当:無配
フジテックの株価の今後の見通し
7月30の終値は5,615円でした。TOB価格が29日終値の6,205円を下回るディスカウントTOBだっため、株価が急落しました。
今後、株価はTOB価格の5,700円近辺で推移し、上場廃止まで大きな変動はなく横ばい傾向が続くと考えられます。
フジテックのTOBに応募するメリット
フジテックのTOBに応募するメリットは、TOB価格の5,700円で売却できることです。
具体的には、フジテックの株式を保有している証券会社から、SMBC日興証券へ移管し、応募手続きを行う必要があります。SMBC日興証券で売却するときの手数料は無料です。
SMBC日興証券の公開買付手続きについて
(A)ログイン→メッセージボックス→公開買付けのお知らせ→取扱銘柄一覧→フジテックを選択
(B)ログイン→お取引→公開買付け→取扱銘柄一覧→フジテックを選択
SMBC日興証券にログインして、銘柄一覧からフジテックを選択してください。AとBのどちらの方法でも確認できます。
TOBが成立した場合、2026年2月下旬~3月上旬に買付代金が支払われる予定です。
フジテックのTOBによる配当への影響
フジテックは3月決算の企業です。毎年9月末に中間配当、3月末に期末配当の権利確定日があります。
2026年3月期の配当については、中間配当および期末配当ともに無配が決定しました。
フジテックのTOBによる株主優待への影響
TOBの発表時点で、株主優待に関する具体的な言及はありません。しかし、TOBによりフジテックは非公開化されるため、最終的には株主優待は廃止される可能性が高いです。
フジテックのTOBと株主への影響
上記チャートの黄色の線はTOB価格の水準を示しています。黄色の線より低い水準で購入した株主は含み益、高い水準で購入した株主は含み損がある状況です。フジテックの上場廃止が決定すれば、保有株式の売却によって株主の損益も確定します。
投資家が検討するポイント
(1)含み益がある場合:TOBに応募することで利益を確定できる
(2)資金を早急に確保したい場合:株式市場で売却できる
(1)TOBに応募するには、原則としてSMBC日興証券の口座が必要です。口座をお持ちの方は、応募手続きをご確認ください。
TOBは2026年1月下旬開始予定ですから、これから口座を準備しても十分に間に合います。
(2)7月30日朝にTOBが発表されました。資金を確保したい投資家は、すでに市場で売却を済ませている可能性が高いでしょう。