芝浦電子のTOBによる上場廃止と配当金、株主の今後について
2025年2月5日、台湾のヤゲオ・コーポレーションは、東証スタンダード上場の芝浦電子(6957)に対して、TOB(株式公開買付)を行う予定であると発表しました。
TOBによる芝浦電子の上場廃止の理由
ヤゲオが芝浦電子の株式をすべて買い取って非公開化するため、芝浦電子は上場廃止になる可能性があります。
そして4月10日、東証プライム上場のミネベアミツミ(6479)もホワイトナイトとしてTOBを発表しました。
ミネベアミツミも芝浦電子の株式をすべて買い取って非公開化するため、芝浦電子は上場廃止になる可能性があります。
芝浦電子は、ヤゲオのTOBには反対、ミネベアミツミのTOBには賛同しています。
芝浦電子の株主はどちらのTOBに申し込むのがトクなのか? それぞれの条件を比べてみましょう。
ヤゲオによるTOBの条件とスケジュール
1. TOB価格:4,300円→5,400円(4/17)
2. TOB期間:2025年5月7日開始予定(30営業日)
3. 決済の開始日:2025年6月
4. 買付予定株数:上限なし、下限7,624,600株
5. 買付代理人(証券会社):三菱UFJモルガン・スタンレー証券、三菱UFJ eスマート証券(旧:auカブコム証券)
6. 配当:不明
ミネベアミツミによるTOBの条件とスケジュール
1. TOB価格:4,500円
2. TOB期間:2025年4月23日(水)から5月27日(火)まで(22営業日)
3. 決済の開始日:2025年5月下旬
4. 買付予定株数:上限なし、下限7,539,900株
5. 買付代理人(証券会社):大和証券
6. 配当:2025年3月期は実施
ヤゲオとミネベアミツミによるTOB合戦となっているため、TOB価格の引き上げ、およびTOB期間の延長が考えられます。
芝浦電子の株価の今後の見通し
4月10日終値は4,700円でした。ミネベアミツミによるTOBが10日朝に報道されたため、株価が先取りして上昇しました。芝浦電子の株価は、TOB合戦が終わるまで段階的に値上がりする予定です。
TOB価格が引き上げられると、株価も同じく値上がりします。TOB価格の引き上げがなくなった段階で株価の上昇も止まり、その後は上場廃止まで横ばいが続くと考えられます。
芝浦電子のTOBに応募するメリットとは?
芝浦電子のTOBに応募するメリットは、TOB価格で売却できることです。
具体的には、芝浦電子の株を保有している証券会社から、それぞれの証券会社に移管し、売却手続きを行う必要があります。
ヤゲオによるTOBに申し込むなら、三菱UFJモルガン・スタンレー証券または三菱UFJ eスマート証券に移管し、売却します。ミネベアミツミによるTOBに申し込むなら、大和証券に移管し、売却します。
芝浦電子のTOBによる配当への影響
・ 2025年3月期の期末配当:1株150円
芝浦電子は3月決算企業であり、期末に一括配当を行う銘柄です。毎年3月末に期末配当の権利確定日があります。
2025年3月期の期末配当は権利が確定しました。2024年11月11日時点の配当予想は1株当たり150円です。2026年3月期の期末配当は未定です。芝浦電子は上場廃止を予定しているため、無配になるでしょう。
芝浦電子のTOBと株主の今後について
TOB価格が直近の高値を上回るため、多くの株主は保有株に含み益がある状態です。芝浦電子の上場廃止が決定すれば、株主の損益も確定します。
投資家が検討するポイント
(1)含み益がある場合:株価を確認後、TOBに応募して利益を確定する
(2)資金が早急に必要な場合:すでに売却済み
(1)ヤゲオによるTOBに応募するには、三菱UFJモルガン・スタンレー証券または三菱UFJ eスマート証券の口座が必要です。また、ミネベアミツミによるTOBに応募するには、大和証券の口座が必要です。口座をお持ちの方は、応募手続きを確認してください。
TOB合戦になっていますから、2つの証券口座を準備して有利な条件のTOBに申し込むと、スムーズに手続きができますし、利益も多くなります。
(2)2025年2月発表ですから、急ぐ投資家はすでに売却済みでしょう。