大建工業のTOBによる上場廃止と配当金、株主の今後について(TOB価格3,000円)
大建工業が上場廃止になる理由について
2023年8月10日、東証プライム上場の伊藤忠商事(8001)が大建工業(7905)に対して、TOB(株式公開買い付け)を行うと発表しました。
伊藤忠商事が大建工業の残りの株を全部買い取って非公開にするため、大建工業は上場廃止になります。
TOBの条件とスケジュールについて
(1)TOB価格・・・3,000円
(2)TOB期間・・・2023年8月14日(月)から10月10日(火)まで
(3)決済の開始日・・・2023年10月17日(火)
(4)買付予定株数・・・上限なし、下限829万8295株
(5)証券会社・・・みずほ証券
(6)配当・・・TOB成立を条件に無配
TOB価格3,000円、TOB期間は2023年8月14日(月)から10月10日(火)までの40営業日です。
手続きが順調に進むと、大建工業は上場廃止になります。TOB実施により、2024年3月期の期末配当が無配になります。
大建工業の株主はTOBに参加して3,000円で保有株を買い取ってもらうか、もしくは株価が3,000円に近づいたら株式市場で売却できます。
大建工業の今後の株価について
日付 | 株価 | 前日比 |
---|---|---|
8/10 | 2,330 | - |
8/14 | 2,830 | +500 |
8/15 | 3,000 | +170 |
8月10日終値2,330円。14日以降に株価が上昇し、TOB価格にサヤ寄せする予定です。
その後は何もなければ、上場廃止まで横ばいが続く見込みです。8月15日にTOB価格付近に到達するでしょう。
TOBに参加するメリットについて
メリットはTOB価格3,000円で買い取ってもらえること、手続きを経験できることです。
具体的には、大建工業の株を購入した証券会社から、みずほ証券に移管して(移動して)売却します。2023年10月17日以降に投資資金が戻ってきます。
大建工業の配当金について
大建工業は3月決算企業です。毎年9月に中間配当、翌年3月に期末配当の権利がもらえます。2024年3月期の期末配当については、TOB成立を条件に無配になります。前回予想は1株60円でした。
ただし、配当金がなくなるのはTOB成立が条件ですから、不成立となった場合は元に戻る可能性があります。
なお、中間配当については、1株60円に決定しました。権利付き最終日は2023年9月27日(水)です。9月27日まで株主を続けると、中間配当がもらえます。
大建工業の株主の今後について
大建工業月足チャート
月足チャート5年分です。TOB価格が直近の高値を上回るので、多くの株主が含み益の状態です。仮に上場廃止が決定すると、株主の損益も確定します。
(1)含み益の投資家・・・TOB参加
(2)資金回収を急ぐ投資家・・・中間配当(の権利)をもらってから売却
(1)TOBに参加するには、みずほ証券の口座が必要です。口座がある方は試してみてください。
(2)TOB期間中に中間配当の権利がやってきます。もしかすると、中間配当の金額が上乗せされて、株価が3,000円を超えるかもしれません。
中間配当の権利(1株60円)をもらってから売却してはいかがでしょうか。9月28日に売却すると、最短で乗り換えることができます。
配当金がいらない場合は、8月14日夜間取引または15日の株式市場で売却できます。