アイネットのTOBによる上場廃止と配当金、株主優待、株主への影響について(TOB価格2,530円、手続きはSBI証券)
東証プライム上場のオリックス(8591)は、2025年10月2日(木)に同じくプライム上場のアイネット(9600)に対し、株式公開買い付け(TOB)を実施すると発表しました。
アイネットのTOB:完全子会社化による上場廃止
このTOBは、オリックスがアイネットの株式をすべて買い取って完全子会社化することを目的としており、成立した場合、アイネットは上場廃止となる見込みです。
アイネットの株主は、TOBに応募して保有株を売却するか、市場で売却するかの選択が可能です。
TOBの条件とスケジュール
1. 買付価格(TOB価格):2,530円
2. 買付期間(TOB期間):2025年10月3日(金)から11月17日(月)まで(30営業日)
3. 決済開始日:2025年11月25日(火)
4. 買付予定数:10,171,800株(下限)
5. 公開買付代理人:SBI証券
6. 配当:TOB成立を条件に期末配当が無配となる予定
7. 優待:TOB成立を条件に2026年3月優待が廃止される予定
アイネットの株価見通し
TOB発表前の10月2日終値は1,649円でした。TOB価格の2,530円はこれを大幅に上回る水準です。そのため、発表後は株価がTOB価格に近づく形で上昇し、上場廃止まで2,530円前後で推移すると考えられます。
TOBに応募するメリット
アイネットのTOBに応募するメリットは、TOB価格の2,530円で売却できることです。
具体的には、アイネットの株式を保有している証券会社から、SBI証券へ移管し、応募手続きを行う必要があります。
TOBが成立した場合、2025年11月25日以降に買付代金が支払われる予定です。
TOBによる配当への影響
アイネットは3月決算の企業です。毎年9月末が中間配当、3月末が期末配当の権利確定日です。
2026年3月期の中間配当は、1株あたり29円を予定しています。
期末配当はTOB成立を条件に無配となる予定です。TOBが不成立となった場合は、配当が再度検討される可能性があります。
TOBによる株主優待への影響
2025年9月優待(現行の制度)
(1)対象となる株主:毎年3月31日、9月30日現在の株主名簿に記載または記録された100株以上を保有する株主
(2)株主優待の内容
・ 100株以上:クオカードPay500円分(9月のみ)
・ 200株以上:クオカードPay500円分
・ 500株以上:クオカードPay1,000円分
・ 1,000株以上:クオカード2,000円分
・ 3,000株以上:クオカード3,000円分
・ 5,000株以上:クオカード4,000円分
アイネットの株主優待は、クオカードまたはクオカードPayです。毎年3月末と9月末の株主は年2回、優待を受け取れます。2025年9月末に権利が確定する優待は実施され、12月上旬に発送される予定です。
2026年3月優待
2026年3月末に権利が確定する優待は、TOB成立を条件に廃止される予定です。TOBが不成立となった場合は優待が再開される可能性があります。
アイネットのTOBと株主への影響
TOB価格の2,530円は、2024年3月の高値2,530円と同じ価格です。これにより、多くの株主にとって有利な価格で利益を確定できる状況となります。アイネットの上場廃止が決定すれば、保有株式の売却によって株主の損益が最終的に確定します。
投資家が検討するポイント
(1)含み益がある場合:TOBに応募することで利益を確定できる
(2)資金を早急に確保したい場合:TOBの決済日を待たずに、株式市場で売却できる
(1)TOBに応募するには、原則としてSBI証券の口座が必要です。口座がある方は応募手続きをご確認ください。
(2)10月3日はストップ高比例配分となる可能性が高いため、売却が難しい場合があります。その場合は週明けの6日(月)に売却を検討できます。