三菱ロジスネクストのTOBによる上場廃止と配当金、株主優待、株主への影響について(TOB価格1,537円)
投資ファンドの日本産業パートナーズは、2025年9月30日(火)に東証スタンダード上場の三菱ロジスネクスト(証券コード:7105)に対し、株式公開買い付け(TOB)を実施すると正式に発表しました。
三菱ロジスネクストのTOB:非公開化による上場廃止
三菱ロジスネクストの株式は、親会社である三菱重工業が64.41%の株式を保有しています。このTOBは、投資ファンドが残りの一般株主の保有株式をすべて買い取って非公開化することを目的としており、成立した場合、三菱ロジスネクストは上場廃止となる見込みです。
三菱ロジスネクストの株主は、TOBに応募して保有株を売却するか、市場で売却するかの選択が可能です。
TOBの条件とスケジュール
1. 買付価格(TOB価格):1,537円
2. 買付期間(TOB期間):20営業日(2025年12月下旬開始予定)
3. 決済開始日:2026年1月下旬~2月上旬
4. 買付予定数:2,410,700株(下限)
5. 公開買付代理人:大和証券
6. 配当:TOB成立を条件に無配となる予定
7. 優待:TOB成立を条件に廃止される予定
三菱ロジスネクストの株価見通し
9月30日の終値は1,815円でした。TOB価格1,537円がこれを下回るため、発表後は株価がTOB価格に近づく形で下落し、上場廃止まで1,537円前後で推移すると考えられます。
TOBに応募するメリット
三菱ロジスネクストのTOBに応募するメリットは、TOB価格の1,537円で売却できることです。
具体的には、三菱ロジスネクストの株式を保有している証券会社から大和証券へ移管し、応募手続きを行う必要があります。TOBが成立すれば、2026年1月下旬から2月上旬に売却代金が支払われる予定です。
TOBによる配当への影響
三菱ロジスネクストは3月決算の企業で、期末に配当を一括で支払います。毎年3月末が期末配当の権利確定日です。
2026年3月期の期末配当は、TOB成立を条件に無配となる予定です。TOBが不成立となった場合は、配当が再度検討される可能性があります。
TOBによる株主優待への影響
三菱ロジスネクストの株主優待はクオカードです。
2026年3月末に権利が確定する優待は、TOBが成立した場合に廃止される予定です。なお、TOBが不成立となった場合は優待が再開される可能性があります。
三菱ロジスネクストのTOBと株主への影響
チャート画像に引かれた黄色の線は、今回のTOB価格1,537円を示しています。黄色の線より下の水準で購入した株主は含み益、上の水準で購入した株主は含み損があります。三菱ロジスネクストの上場廃止が決定すれば、保有株式の売却によって株主の損益が最終的に確定します。
投資家が検討するポイント
(1)含み益がある場合:TOBに応募することで利益を確定できる
(2)資金を早急に確保したい場合:すでに売却済み
(1)TOBに応募するには、原則として大和証券の口座が必要です。口座がある方は詳細なスケジュール発表時にご確認ください。
(2)資金を早急に確保したい株主は、すでに市場で売却を検討しているでしょう