トライトのTOBによる上場廃止と配当金、株主への影響について(TOB価格880円)
2025年6月10日、投資ファンドのカーライルは、東証グロース上場のトライト(9164)に対して、TOB(株式公開買い付け)を行うと発表しました。
TOBによるトライトの上場廃止の理由
投資ファンドがトライトの株式をすべて買い取って非公開化するため、トライトは上場廃止になる予定です。
トライトの株主は、TOBに応募して保有株を売却するか、あるいは株式市場で売却することもできます。
トライトのTOBの条件とスケジュール
1. TOB価格:880円
2. TOB期間:2025年6月11日(水)から7月23日(水)まで(30営業日)
3. 決済の開始日:2025年7月30日(水)
4. 買付予定株式数:上限なし、下限6,666,700株
5. 買付代理人:野村證券
6. 配当:TOB成立を条件に無配となる予定
トライトの株式の今後の見通し
6月10日の終値は654円でした。TOB発表後も株価はTOB価格に向かって上昇する動きが予想されます。その後、上場廃止まで横ばいが続くと考えられます。
トライトのTOBに応募するメリット
トライトのTOBに応募するメリットは、TOB価格の880円で売却できることです。
具体的には、トライトの株式を保有している証券会社から、野村證券へ移管し、応募手続きを行う必要があります。
TOBが成立した場合、2025年7月30日以降に買付代金が支払われる予定です。
トライトのTOBによる配当への影響
トライトは12月決算の企業で、期末に一括配当を行う企業です。毎年12月末に期末配当の権利確定日があります。
2025年12月期の期末配当については、2025年2月13日時点では1株当たり12円と予想されていました。しかし、TOB成立を条件に無配となる予定です。
なお、無配となるのはTOB成立が条件ですから、不成立となった場合は配当が支払われる可能性もあります。
トライトのTOBと株主への影響
トライトは2023年7月に上場したばかりの企業です。2023年10月以降に購入した株主は含み益がある状態です。トライトの上場廃止が決定すれば、保有株式の売却によって損益が確定します。
投資家が検討するポイント
(1)含み益がある場合:TOBに応募することで利益を確定できる
(2)資金を早急に確保したい場合:株式市場で売却することもできる
(1)TOBに応募するには、原則として野村證券の口座が必要です。口座をお持ちの方は、応募手続きをご確認ください。
(2)6月12日以降に株式市場で売却できます。