原油ETF、先物価格が動きすぎて連動が追いつかない
原油ETFの続きです。
・原油先物価格と原油ETFの値段が乖離
・値幅制限が原因
・動かなくなると、逆に儲けが少なくなる
4月22日、23日は原油先物が乱高下し、指数に連動するはずの原油ETF・ETNが追いつかない事例が起きています。
4月22日の株価
銘柄 | 株価 | 前日比 | 上昇率 下落率 |
---|---|---|---|
WTI原油 (1671) |
685 | -150 | -17.96% |
野村原油 (1699) |
65 | -50 | -43.48% |
ダブルブル (2038) |
208 | -80 | -27.87% |
原油ベア (2039) |
10,830 | +1,500 | +16.08% |
わかりやすいのが22日のWTI原油(1671)、野村原油(1699)、原油ダブルブル(2038)の値段です。
・WTI原油(1671)・・・値下がり率17.96%
・野村原油(1699)・・・値下がり率43.48%
・原油ダブルブル(2038)・・・値下がり率27.87%
WTI原油と野村原油、原油ダブルブルは元となる指標が異なるとは言え、値下がり率が全く違います。
これは、ETF(ETN)に値幅制限が設定されているからです。
(参考)原油先物価格関連商品(ETF・ETN)についてのご注意(SMBC日興証券)
この日は、どんなに下がっても、WTI原油が685円まで、野村原油は65円まで、原油ダブルブルは208円までです。
先物価格が下がりすぎて、ETFが追いついていません。下がるべきものが下がっていないので、株主は救われた形になります。もちろん、翌日以降に反映されるので、数日後には元に戻ります。
逆に儲けそこなったが原油ベア。ストップ高でも、この日は16.08%しか上がりませんでした。
WTI原油ETF
4月22日
150円ストップ安の685円。
デイトレーダーは開店休業状態でした。売り注文が殺到しているので、デイトレに参加することもできません。685円で買うか? 買わないか? の2択だけです。
原油先物に比べて、ETFが下げ足りないので、「買わない」が正解です。
4月23日
23日も100円ストップ安の585円。
598円で寄り付きましたが、その後はストップ安まで下がります。
WTI原油ETF日足チャート
4月24日終値567円。前日比17円安。
24日になって、ようやく値段が落ち着きました。
取引できるのは良いことですが、逆に値動きが小さくなって儲けも少なくなります。
先物価格が動きすぎると一方通行で取引できず、落ち着くと儲けが減る。適度に動いてくれると、うれしいんですけどね。