SCSKのTOBによる上場廃止と配当金、株主への影響について(TOB価格5,700円、手続きはSMBC日興証券)
東証プライム上場の住友商事(8053)は、2025年10月29日(水)に同じくプライム上場のSCSK(えすしーえすけい、9719)に対し、株式公開買い付け(TOB)を実施すると発表しました。
SCSKのTOB:完全子会社化による上場廃止
このTOBは、親会社である住友商事がSCSKの全株式を取得し、完全子会社化することを目的としており、成立した場合、SCSKは上場廃止となる見込みです。
SCSKの株主が保有株を売却する方法としては、TOBに応募する方法と、市場で売却する方法の2つの選択肢があります。
TOBの条件とスケジュール
1. 買付価格(TOB価格):5,700円
2. 買付期間(TOB期間):2025年10月30日(木)から12月12日(金)まで(30営業日)
3. 決済開始日:2025年12月19日(金)
4. 買付予定数(下限):50,347,400株
5. 公開買付代理人(応募窓口):SMBC日興証券
6. 配当:無配
SCSKの株価見通し
10月29日の終値は4,334円でした。TOB価格の5,700円がこれを大きく上回るため、発表後はTOB価格に近づく形で上昇し、TOB期間中は5,700円よりわずかに低い水準で推移すると考えられます。
TOBに応募するメリット
SCSKのTOBに応募するメリットは、TOB価格の5,700円で確実に売却できることです。
具体的には、SCSKの株式を保有している証券会社から、SMBC日興証券へ移管し、応募手続きを行う必要があります。SMBC日興証券で売却するときの手数料は無料です。
SMBC日興証券の公開買付手続きについて
(A)ログイン→メッセージボックス→公開買付けのお知らせ→取扱銘柄一覧→SCSKを選択
(B)ログイン→お取引→公開買付け→取扱銘柄一覧→SCSKを選択
SMBC日興証券にログインして、銘柄一覧からSCSKを選択してください。AとBのどちらの方法でも確認できます。
TOBが成立した場合、2025年12月19日以降に買付代金が支払われる予定です。
TOBによる配当への影響
SCSKは3月決算の企業です。毎年9月末が中間配当、3月末が期末配当の権利確定日です。
2026年3月期の期末配当については、TOB価格5,700円が配当を実施しないことを前提に決定されているため、無配が決定しました。
SCSKのTOBと株主への影響
TOB価格の5,700円は、2025年9月の高値である5,047円を上回る水準です。これにより、多くの株主にとって有利な価格で利益を確定できる状況となります。SCSKの上場廃止が決定すれば、保有株式の売却によって株主の損益が最終的に確定します。
投資家が検討するポイント
(1)含み益がある場合:TOBに応募することで利益を確定できる
(2)資金を早急に確保したい場合:TOBの決済日を待たずに、株式市場で売却できる
(1)TOBに応募するには、原則としてSMBC日興証券の口座が必要です。口座がある方は応募手続きをご確認ください。
TOB期間は「12月12日まで」ですから、これから口座を準備しても十分に間に合います。
(2)10月30日(木)は、TOB価格に急接近するため、ストップ高(値幅制限の上限)となり、希望する値段で売却できない可能性があります。売却できない場合は、翌31日以降に市場で売却することを検討できます。








