富士石油のTOBによる上場廃止と配当金、株主への影響について(TOB価格480円)
東証プライム上場の出光興産(5019)は、2025年9月11日(木)に同じくプライム上場の富士石油(5017)に対し、株式公開買い付け(TOB)を実施すると発表しました。
富士石油のTOB:株式の非公開化で上場廃止へ
富士石油の株式は、全体の22.06%を出光興産が保有しています。このTOBは、筆頭株主の出光興産が残りの株主の保有分をすべて買い取って非公開化することを目的としており、成立すれば富士石油は上場廃止となる見込みです。
富士石油の株主は、TOBに応募して保有株を売却するか、株式市場で売却するかのいずれかを選択できます。
富士石油のTOBの条件とスケジュール
1. TOB価格:480円
2. TOB期間:2025年9月12日(金)から10月28日(火)まで(30営業日)
3. 決済の開始日:2025年11月5日(水)
4. 買付予定株式数:27,693,547株(下限)
5. 買付代理人:大和証券
6. 配当:TOB成立を条件に無配となる予定
富士石油の株価の今後の見通し
9月11日終値は333円でした。TOB価格480円がこれを上回るため、発表後は株価がTOB価格に近づく形で上昇し、上場廃止まで480円前後で推移すると考えられます。
富士石油のTOBに応募するメリット
富士石油のTOBに応募するメリットは、TOB価格の480円で売却できることです。具体的には、富士石油の株式を保有している証券会社から、大和証券へ移管し、応募手続きを行う必要があります。
TOBが成立した場合、2025年11月5日以降に買付代金が支払われる予定です。
富士石油のTOBによる配当への影響
富士石油は3月決算の企業で、期末に一括で配当を支払います。3月末が期末配当の権利付き最終日です。
2026年3月期の期末配当は、TOB成立を条件に無配となる予定です。TOBが不成立となった場合は、配当が再度検討される可能性があります。
富士石油のTOBによる株主への影響
チャート画像に引かれた黄色の線は、今回のTOB価格480円を示しています。黄色の線より下の水準で購入した株主は含み益、上の水準で購入した株主は含み損があります。富士石油の上場廃止が決定すれば、保有株式の売却によって株主の損益が最終的に確定します。
投資家が検討するポイント
(1)含み益がある場合:TOBに応募することで利益を確定できる
(2)資金を早急に確保したい場合:TOBの決済日を待たずに、株式市場で売却できる
(1)TOBに応募するには、原則として大和証券の口座が必要です。口座がある方は応募手続きをご確認ください。
(2)9月12日(金)はストップ高比例配分となる可能性が高いため、売却が難しい場合があります。その場合は3連休明けの16日(火)に売却を検討できます。