パシフィックシステムのTOBによる上場廃止と配当金、株主への影響について(TOB価格6,850円、手続きは楽天証券など)
2025年8月8日、東証プライム上場の太平洋セメント(5233)は、スタンダード上場のパシフィックシステム(3847)に対してTOB(株式公開買い付け)を行うと発表しました。
パシフィックシステムのTOB:完全子会社化で上場廃止へ
このTOBは、親会社である太平洋セメントによるパシフィックシステムの完全子会社化を目的としています。TOBが成立すれば、パシフィックシステムは上場廃止となる予定です。
パシフィックシステムの株主は、TOBに応募して保有株を売却するか、株式市場で売却することもできます。
パシフィックシステムのTOBの条件とスケジュール
1. TOB価格:6,850円
2. TOB期間:2025年8月12日(火)から9月24日(水)まで(30営業日)
3. 決済の開始日:2025年9月30日(火)
4. 買付予定株式数:14,400株(下限)
5. 買付代理人:みずほ証券、楽天証券
6. 配当:TOB成立を条件に無配となる予定
パシフィックシステムの株価の今後の見通し
8月8日の終値は5,250円でした。TOB価格の6,850円が終値を上回るため、発表後、株価はTOB価格に近づく形で上昇し、その後は上場廃止まで6,850円近辺で大きな変動はなく推移すると考えられます。
パシフィックシステムのTOBに応募するメリット
パシフィックシステムのTOBに応募するメリットは、TOB価格の6,850円で売却できることです。
具体的には、パシフィックシステムの株式を保有している証券会社から、みずほ証券または楽天証券へ移管し、応募手続きを行う必要があります。
TOBが成立した場合、2025年9月30日以降に買付代金が支払われる予定です。
パシフィックシステムのTOBによる配当への影響
パシフィックシステムは3月決算の企業です。毎年9月末に中間配当、3月末に期末配当の権利確定日があります。
2026年3月期の中間配当と期末配当は、TOBが成立した場合に無配となる予定です。TOBが不成立となった場合は、配当については再度検討される可能性があります。
パシフィックシステムのTOBと株主への影響
TOB価格の6,850円は、発表当日の終値を上回る水準です。これにより、多くの株主が利益を確定できる状況となります。パシフィックシステムの上場廃止が決定すれば、保有株式の売却によって株主の損益も確定します。
投資家が検討するポイント
(1)含み益がある場合:TOBに応募することで利益を確定できる
(2)資金を早急に確保したい場合:株式市場で売却することもできる
(1)TOBに応募するには、原則として、みずほ証券または楽天証券の口座が必要です。口座がある方は応募手続きをご確認ください。
(2)8月12日はストップ高比例配分となる可能性が高いため、売却が難しい場合があります。その場合は、翌営業日の13日以降に売却を検討できます。