CARTA HDのTOBによる上場廃止と配当金、株主優待、株主への影響について(TOB価格2,100円)
2025年6月16日、東証プライム上場の日本電信電話(9432)の子会社であるNTTドコモは、CARTA HOLDINGS(かるた ほーるでぃんぐす、証券コード3688)に対してTOB(株式公開買い付け)を行うと発表しました。
TOBによるCARTA HDの上場廃止の理由
CARTA HDの株式は、親会社である電通グループ(4324)が全体の53.13%、少数株主が残りの46.87%を保有しています。NTTドコモが少数株主の保有分をすべて買い取って非公開化するため、CARTA
HDは上場廃止になる予定です。
CARTA HDの株主は、TOBに応募して保有株を売却するか、あるいは株式市場で売却することもできます。
CARTA HDのTOBの条件とスケジュール
1. TOB価格:2,100円
2. TOB期間:2025年8月下旬開始予定(20営業日)
3. 決済の開始日:2025年9月下旬
4. 買付予定株式数:上限なし、下限3,425,400株
5. 買付代理人:みずほ証券
6. 配当:無配
7. 優待:廃止
CARTA HD株式の今後の見通し
6月16日の終値は1,531円でした。TOB発表後に株価はTOB価格に向かって上昇する動きが予想されます。その後、上場廃止まで横ばいが続くと考えられます。
CARTA HDのTOBに応募するメリット
CARTA HDのTOBに応募するメリットは、TOB価格の2,100円で売却できることです。
具体的には、CARTA HDの株式を保有している証券会社から、みずほ証券へ移管し、応募手続きを行う必要があります。
TOBが成立した場合、2025年9月下旬以降に買付代金が支払われる予定です。
CARTA HDのTOBによる配当への影響
CARTA HDは12月決算の企業です。毎年6月末に中間配当、12月末に期末配当の権利確定日があります。
2025年12月期の配当については、2025年2月13日時点では、中間配当が1株当たり29円、期末配当も1株当たり29円と予想されていました。しかし、TOB実施に伴い無配となりました。
なお、TOBが不成立となった場合の配当の可否は未定です。
CARTA HDのTOBによる株主優待への影響
2025年6月優待・12月優待
(1)対象となる株主:毎年6月30日、12月31日現在の株主名簿に記載または記録された、100株以上を保有する株主
(2)株主優待の内容
・ 100株以上(3年未満):ギフトコード1,000円相当
・ 100株以上(3年以上):ギフトコード1,500円相当
CARTA HDの株主優待は、デジタルギフトと交換できるギフトコードです。毎年6月末と12月末の株主は年2回、優待を受け取れました。
2025年の株主優待については、TOB実施に伴い廃止されました。2024年12月末の優待が最後です。
なお、TOBが不成立となった場合の優待の再開は未定です。
CARTA HDのTOBと株主への影響
TOB価格の2,100円が2022年8月の高値である1,984円を上回るため、株主は含み益がある状況です。CARTA HDの上場廃止が決定すれば、保有株式の売却によって株主の損益も確定します。
投資家が検討するポイント
(1)含み益がある場合:TOBに応募することで利益を確定できる
(2)資金を早急に確保したい場合:株式市場で売却することもできる
(1)TOBに応募するには、原則として、みずほ証券の口座が必要です。口座をお持ちの方は、TOBが開始されたときに応募手続きをご確認ください。
(2)6月17日はストップ高比例配分となる可能性が高いため、18日以降の株式市場で売却できます。