クシムのライツ・オファリング(1)1株700円(仮)
9月10日、東証2部上場のクシム(2345)は、ライツ・オファリング(新株予約権無償割当:しんかぶよやくけん むしょうわりあて)を発表しました。
・1株につき1個の新株予約権
・新株の値段は1株700円(仮)
・権利付き最終日:2020年10月28日
2020年10月31日(権利付き最終日:10月28日)までに株主になると、クシムの新株予約権がもらえます。
クシムの新株予約権の特徴は、(1)持っている株数と同数の新株を1株700円(予定)で買えること、(2)新株予約権を株式市場で売却できること、の2つです。
保有株と同数の新株を1株700円で買える
仮に、クシムを100株保有していれば、新株予約権を使うことにより、新株100株を1株につき700円で購入できます。新株予約権を使ってクシム株に換えるなら
700円×100株=70,000円
となり、70,000円+α(手数料等)でクシム100株が買えます。新株予約権が使える期間は、2020年11月2日(月)から12月9日(水)までです。
新株予約権を株式市場で売却できる。
コード番号(23459)です。新株予約権の取引はこれから始まります。上場期間は、2020年11月2日(月)から12月3日(木)までです。
後日、東証から日程の詳細が発表されます(会社の発表があります)。
なお、今回のライツ・オファリングは、株主総会の承認を経て実施されます。否決されると、ライツ・オファリングはなくなります。10月21日(水)に臨時株主総会が開催されます。
新株の値段決定について
・10月27日終値が1,400円以上のとき・・・新株の値段:1株700円
・10月27日終値が1,400円未満のとき・・・新株の値段:10月27日終値÷2
新株の値段は、10月27日(火)に確定します。
上記、新株の1株700円(行使価額)については、9月9日終値1,400円を2で割った金額です。
9月9日終値1,400円÷2=新株700円
しかし、クシムの株価がずっと、1,400円を上回るとは限りません。仮に、1,400円を下回ることがあれば、10月27日終値を2で割った金額が新株の値段になります。
(例1)10月27日終値1,000円÷2=500円
例えば、10月27日終値が1,000円だった場合、2で割ると新株の値段は500円です。
(例2)10月27日終値501円÷2=250.5円→251円
また、10月27日終値が501円だった場合、2で割ると新株の値段は251円です。
250.5円ですが、小数点以下が切り上げられて、251円になります。
クシムのライツ・オファリングのスケジュールについて
(1)臨時株主総会の基準日・・・2020年8月31日(月)
(2)臨時株主総会・・・2020年10月21日(水)
(3)新株予約権の権利付き最終日・・・2020年10月28日(水)
(4)新株予約権の権利確定日・・・2020年10月31日(土)
(5)新株予約権の上場期間・・・2020年11月2日(月)~12月3日(木)
(6)新株予約権の権利行使期間・・・2020年11月2日(月)~12月9日(水)
主なスケジュールはご覧のとおりです。
(1)(2)臨時株主総会に参加できるのは、8月31日時点の株主です。10月21日の株主総会でライツ・オファリングが承認されれば、実施されます。
(3)(4)新株予約権の権利付き最終日は2020年10月28日です。この日までにクシムの株を買うと、新株予約権がもらえます。
(5)新株予約権をもらった株主は、株式市場で売却することができます。また、新規で新株予約権を取引することも可能です。上場期間は12月3日までです。
(6)新株予約権を使える期間です。上場期間より6日長いです。新株予約権を12月3日に株式市場で買っても間に合います。
クシム日足チャート
9月11日終値1,072円。前日比300円ストップ安比例配分となりました。一般的に、ライツ・オファリングが発表されると、警戒感から株価が下落します。クシムも例外なく値下がりしました。
ただ、クシムは同時に発表された決算が良くなかったこと、コロナ特需による期待で株価が急騰していたこと、などから失望売りが出ています。
ライツによる資金調達の目的は企業買収と人件費です。
売りが殺到しているので、1,400円をキープするのは無理でしょう。新株の値段が確定する10月27日までに、どれだけリバウンドするか注目です。