CAICA(かいか)のライツ・オファリング(2)新株予約権の権利落ち日
※CAICAの株価急落で焦ったときに、ご覧ください。
(1)の続きです。
8月7日はCAICA(2315)の新株予約権の権利落ち日でした。
権利落ち日の基準値
CAICAの新株予約権は、保有株と同数の新株を1株16円で買える権利です。8月6日までにCAICAの株主になった投資家は、1株につき1個の新株予約権がもらえます。
CAICAの6日終値が34円。7日の基準値を計算すると
(34円+16円)÷2=25円
となります。
・8月6日:CAICAの親株1株(34円)
・8月7日:CAICAの親株1株(?円)+新株1株(16円)=計2株
8月6日から7日にかけて、株主が保有する株数が2倍に増加する可能性があります。
株主が新株を買ったと仮定して、その状況が7日以降の株価に反映されます。
親株が34円、新株が16円。合わせて2株になるので、親株と新株を足して50円。2株で割ると、1株につき25円です。平均単価の計算方法と同じです。
7日の取引は25円が出発点です。
CAICA日足チャート
日足チャート3ヶ月分です。右端のローソク足が7日のものです。
始値26円、高値33円、安値25円、終値28円でした。
CAICAのライツ・オファリングのスケジュールについて(再掲)
(1)臨時株主総会の基準日・・・2020年4月30日(木)
(2)臨時株主総会・・・2020年7月29日(水)
(3)新株予約権の権利付き最終日・・・2020年8月6日(木)
(4)新株予約権の権利確定日・・・2020年8月11日(火)
(5)新株予約権の上場期間・・・2020年8月12日(水)~9月10日(木)
(6)新株予約権の権利行使期間・・・2020年8月12日(水)~9月16日(水)
新株予約権が2020年8月12日に上場します(コード番号「23159」)。1株16円で買える権利ですから、株価が16円を上回ると新株予約権に値段が付きます。
逆に、16円以下になると、わざわざ新株予約権を使わなくても株式市場でCAICA株を安く買えるので、新株予約権に価値がなくなって叩き売り状態になります。
8月12日まで、CAICAの株価が16円超をキープできるか注目です。
(具体例)34円で100株買った投資家の損益について
8月6日に1株34円で100株買った投資家の様子です。新株予約権の権利落ちにより、「34円→28円」に値下がりし、含み損になりました。
新株予約権を使って、1株16円で新株を100株買うと、含み損がなくなる計算です。ナンピン買いとよく似た現象です。
・親株:株価34円×100株=3,400円
・新株:株価16円×100株=1,600円
・合計:平均単価25円×200株=5,000円
この投資家の損益分岐点は株価25円です。25円を上回ると含み益、下回ると含み損です。
株価が下がって焦るかもしれませんが、深刻な状況ではありません。
値上がり率・値下がり率ランキング上位のカラクリについて
CAICAは8月7日のランキングで値上がり率・値下がり率ともに上位になりました。奇妙な現象ですが、証券会社(情報元)ごとに計算方法が異なることが原因です。
(1)基準値を考慮に入れない場合
基準値25円を考えないで値下がり率を計算すると、
・株価28円(8/7)÷株価34円(8/6)×100=82.35%(前日比-17.65%)
となります。計算するときにライツを考えていないので、前日に比べて17.65%下がったことになり、CAICAが値下がり率上位にランクインします。
(2)基準値を考慮に入れた場合
基準値25円を考えて計算すると、
・株価28円(8/7)÷株価25円(基準値)×100=112%(前日比+12%)
となります。計算するときにライツを考えて基準値からの変化を見ています。前日に比べて12%上がったことになり、CAICAが値上がり率上位にランクインします。
どちらが正しいというわけではありません。計算方法が違うだけだと知っておくと、戸惑うことはないでしょう。