テスホールディングスのライツ・オファリング(2)新株予約権の権利落ち日
2023年6月29日はテスホールディングス(5074)の新株予約権の権利落ち日でした。
テスホールディングスの権利落ち日の基準値
テスホールディングスの新株予約権は、保有株と同数の新株を1株400円で買える権利です。6月28日までにテスホールディングスの株主になった投資家は、1株につき1個の新株予約権がもらえます。
テスホールディングスの28日終値が1,100円。29日の基準値を計算すると
(1,100円(28日)-26円(配当金)+400円(新株))÷2=737円
となります。
・6月28日:テスホールディングスの親株1株(1,100円)+配当金1株26円
・6月29日:テスホールディングスの親株1株(?円)+新株1株(400円)=計2株
6月28日から29日にかけて、株主が保有する株数が2倍に増加する可能性があります。また、配当金の権利がもらえます。
株主が新株を買ったと仮定して、その状況が29日以降の株価に反映されます。
親株が1,100円、配当金が26円、新株が400円。親株から配当金の金額を差し引いて、親株と新株を足します。2株で割ると、1株につき737円です。
29日の取引は737円が基準値になります。
テスホールディングス日足チャート
6月29日までの日足チャートです。右端のローソク足が29日のものです。
・始値782円、高値887円、安値782円、終値887円、出来高107万1400株
取引開始直後から買い注文が殺到し、9時6分に782円で寄り付きました。その後も上昇し、57分に高値887円になりました。150円ストップ高です。10時2分以降、買い気配となり、前場が終了しました。
後場も買い気配が続き、12時34分に887円で寄り付きました。ただ、その後も買いの勢いは止まらず、36分から再びストップ高買い気配になります。
結局、引けの15時に887円で比例配分となりました。
・終値887円(213円安、-19.36%)
ライツの影響により、29日の取引が737円で始まりました。新株は、新株予約権を使って購入しますから、現時点で市場に流通していません。
株数はそのままなのに、株価(基準値)だけ大幅に下落したため、品薄状態でマネーゲームの対象となったようです。
この価格帯の制限値幅は上下150円です。737円に150円を足した887円が29日の上限となります。
テスホールディングスのライツ・オファリングのスケジュールについて(再掲)
(1)新株予約権と期末配当の権利付き最終日・・・2023年6月28日(水)
(2)新株予約権と期末配当の権利確定日・・・2023年6月30日(金)
(3)新株予約権の上場期間・・・2023年7月3日(月)~8月18日(金)
(4)新株予約権の権利行使期間・・・2023年7月3日(月)~8月24日(木)
新株予約権が2023年7月3日に上場します(コード番号「50749」)。1株400円で買える権利ですから、株価が400円を上回ると新株予約権に値段が付きます。
逆に、400円以下になると、わざわざ新株予約権を使わなくても株式市場でテスホールディングスの株を安く買えるので、新株予約権に価値がなくなって叩き売り状態になります。
上場期間の8月18日まで、テスホールディングスは400円より上をキープできるか注目です。