五洋インテックスの上場廃止とマネーゲームについて(2)始値30円、出来高1452万3700株
(1)の続きです。
6月25日に上場廃止が決定した五洋インテックス(7519)。30日に30円で寄り付きました。
五洋インテックス日足チャート
五洋インテックスの株主は、逃げ場が3回ありました。
1回目は6月21日から。東証が18日に五洋インテックスを監理銘柄(審査中)に指定し、株主に対して注意喚起を行っていました。100円以上で逃げることができました。
2回目は28日以降の夜間取引。夜間取引はマネーゲームに積極的な個人投資家が多く、株式市場よりも高い値段で買ってくれます。30円~40円で逃げることができました。
3回目は本日30日寄付。マネーゲームに待ちわびた投資家が集まって、高い値段で買ってくれました。上場廃止銘柄を30円で売れたのは幸運です。
五洋インテックス2021年6月30日1分足チャート
始値30円、高値32円、安値21円、終値23円、出来高1452万3700株
6月29日終値が30円だったため、30日は1円まで下がる可能性がありました。出来高は1452万3700株で発行済株式総数(1081万5585株)を上回ります。
・6月25日終値90円(廃止決定前)
・6月28日終値60円(30円ストップ安)
・6月29日終値30円(30円ストップ安)
廃止決定後に処分売りした株主は、30円ですべて売ることができました。決定前の33%の投資資金が戻ってきたので、かなり優遇されています。
過去の事例では10%~20%はザラで、1円で売れないときもあります。
逆に、マネーゲームに期待して買った投資家は残念な結果となりました。ひたすら右肩下がり。バケツリレーで損失が拡大しています。間接的に既存株主の損失を負担した形です。
俗に言う「フライング」。もう少し待てば、もっと安く買えるのですが、待ちきれなくて飛びついてしまう。コスパの悪い「1円抜き」を続ける限り、このフライングはなくならないでしょう。