ネットマーケティング、不正アクセスで「Omiai」個人情報の画像データ流出
5月21日、東証マザーズ上場のネットマーケティング(6175)が外部からの不正アクセスで、恋愛マッチングアプリ「Omiai」の個人情報171万1756件分の画像データが流出したと発表しました。
Omiaiはアプリ利用の際に年齢確認書類の提出が求められます。運転免許証、健康保険証、パスポート、マイナンバーカード等の画像データで、約6割は運転免許証が占めています。
恋愛マッチングアプリ利用者の住所・氏名・生年月日と顔写真がセットで流出したため、件数もさることながら、深刻さでは過去最大の事件となりました。
なお、クレジットカード情報は外部委託のため流出していません。
ネットマーケティング日足チャート
5月21日終値517円。5月12日から急落しています。インサイダーのウワサが出ていますが、指数とほぼ同じ動きをしているので、よくわかりません。
24日(月)から本格的に売りが殺到するでしょう。
時価総額から見る被害額の算定方法
投資家が企業の損害額を見積もる場合、時価総額(株価×発行済み株式総数)の減り具合を見て判断することがあります。
実際の損害額に比べて株価が下がりすぎればリバウンドが期待できますし、下がっていなければ今後の下落を警戒しないといけません。
今回は損害額から株価がどのくらい値下がりするか予想してみましょう。
過去の事例で考えると、個人情報が流出して悪用されるかもしれないので、お詫びとして1件あたり500円~10,000円の金券が必要になると予想されます。
(A)500円×171万件=8億5500万円
(B)1,000円×171万件=17億1000万円
(C)10,000円×171万件=171億円
これに対して、ネットマーケティングの時価総額は77億円(株価517円×1493万2800株=77億2025万7600円)です。
(A)8億5500万円÷1493万2800株≒57.26円
(B)17億1000万円÷1493万2800株≒114.51円
(C)171億円÷1493万2800株≒1,145.13円
先ほど夜間取引の株価を見てみると、約60円値下がりしていました。個人投資家は、お詫びの金額を(A)「500円」と見積もっています。
仮に、(B)なら資金調達が必要なレベル、(C)なら会社存続の危機です。
株主に全く落ち度がないのに責任を取らされるのは、本当に気の毒だと思います。