ながの東急百貨店の株式交換による上場廃止と株主優待、株主の今後について(2021年5月28日廃止)
2021年3月16日、東証1部上場の東急(9005)は、ながの東急百貨店(9829)を株式交換で完全子会社化すると発表しました。
・ながの東急百貨店は2021年5月28日上場廃止
・東急「1」、ながの東急百貨店「1.14」
・ながの東急百貨店の株主優待は2021年1月が最後
ながの東急百貨店は2021年5月28日(金)に上場廃止になります。最終売買日は5月27日(木)です。
重要な株式交換比率は、東急「1」に対して、ながの東急百貨店「1.14」です。上場廃止後、ながの東急百貨店1株は、東急1.14株に換わります。
例えば、ながの東急百貨店100株は、東急114株です。東急は100株単位で取引するので、14株が単元未満株です。
(2021年5月まで)ながの東急百貨店100株
(2021年6月から)東急114株
単元未満株は、SBI証券やマネックス証券などのネット証券を利用すれば、普通に売買できます。単元未満株でも株数に応じて東急の配当金がもらえるので問題ありません。
ながの東急百貨店の株価について
両社の株価は「1」と「1.14」に近づくように動きます。
3月16日時点で、東急1,567円、ながの東急百貨店1,370円でした。仮に東急が1,567円で動かないとすると
1,567円×1.14=1,786.38円
となり、ながの東急百貨店は約417円割安となります。ただし、東急の株価も動くので
・東急2,000円、ながの東急百貨店2,280円
・東急1,000円、ながの東急百貨店1,140円
という組み合わせもあります。
ながの東急百貨店の株主優待について
(株主お買物特別優待券)
(1)対象となる株主・・・毎年1月31日・7月31日現在の株主名簿に記載または記録された100株以上保有の株主
(2)株主優待の内容
・100株以上・・・100株ごとに2冊(100円×100枚)
・1,000株以上・・・一律20冊(100円×1,000枚)
※1,000円以上の買物で利用可能
(3)発送時期
・1月優待・・・4月下旬
ながの東急百貨店の株主優待は割引券などです。毎年1月末・7月末の株主は年2回、優待がもらえます。
買物特別優待券は、1冊の中に50枚の100円割引券が入っています。100株ごとに2冊もらえるので割引券が100枚ずつ増えます。1,000株以上の株主は一律20冊となるので、最大1,000枚です。
次回、2021年7月優待は廃止されます。2021年1月優待が最後です。最後の優待は2021年4月下旬に発送されます。
東急の株主優待について
(東急百貨店の買物優待券)
(1)対象となる株主・・・毎年3月31日・9月30日現在の株主名簿に記載または記録された200株以上保有の株主
(2)株主優待の内容
・200株以上・・・10%割引券5枚
・500株以上・・・10%割引券10枚
※3,000円以上(税別)の買物で利用可能
東急の株主優待については、東急百貨店の買物優待券のほかに、乗車証(きっぷ)やホテル宿泊券など多数あります。今回は、ながの東急百貨店と関係がある「東急百貨店の買物優待券」について紹介します。
買物優待券は200株以上の株主が年2回、もらえます。10%割引券ですから、ながの東急百貨店と同じです。3,000円以上の買物から使うことができます。
200株以上の株主は割引券5枚(年間10枚)、500株以上の株主は割引券10枚(年間20枚)です。
「ながの東急百貨店→東急」による優待の変化
(1)ながの東急百貨店100株(100円×100枚)→東急114株(ナシ)
(2)ながの東急百貨店1,000株(100円×1,000枚)→東急1,140株(10%割引券10枚)
ながの東急百貨店の株主は、株式交換によって株数が1.14倍に増えます。
しかし、ながの東急百貨店の優待のために100株だけ保有していた場合、東急の優待がもらえなくなります。東急の株主優待は200株以上が必要ですから、114株では足りません。200株に増やすか、全て売却して別の優待銘柄に乗り換えます。
ながの東急百貨店を1,000株保有している株主は、東急1,140株に換わるので、500株以上の条件をクリアします。ただし、この場合でも余分な株数(640株)を売却して、別の優待銘柄を買うことをオススメします。