ソフト99コーポレーションのMBOによる上場廃止と配当金、株主優待、株主への影響について
2025年8月6日、東証スタンダード上場のソフト99コーポレーション(4464)は、MBO(経営陣等による自社買収)によるTOB(株式公開買い付け)を発表しました。
MBOによるソフト99コーポレーションの上場廃止
ソフト99コーポレーションの経営陣等がソフト99コーポレーションの残りの株式をすべて買い取って非公開化するため、同社は上場廃止となる可能性があります。
その後、9月16日(火)には、投資ファンドのエフィッシモもTOBを発表しました。エフィッシモはソフト99コーポレーションの非公開化を目的としておりませんが、買付予定株式数に上限を設定していないため、TOBの申し込みが下限を上回っていれば、すべて買い取ります。
ソフト99コーポレーションの株主は、どちらのTOBに申し込むのがトクなのか? それぞれの条件を比べてみましょう。
MBOによるTOBの条件とスケジュール
1. TOB価格:2,465円
2. TOB期間:2025年8月7日(木)から10月2日(木)まで(38営業日)
3. 決済の開始日:2025年10月9日(木)
4. 買付予定株式数:上限なし、下限7,566,400株
5. 買付代理人:三菱UFJモルガン・スタンレー証券、三菱UFJ eスマート証券
6. 配当:TOB成立を条件に無配となる予定
7. 優待:廃止
エフィッシモによるTOBの条件とスケジュール
1. TOB価格:4,100円
2. TOB期間:2025年9月16日(火)から10月29日(水)まで(30営業日)
3. 決済の開始日:2025年11月5日(水)
4. 買付予定株式数:上限なし、下限6,163,300株
5. 買付代理人:立花証券、DMM.com証券
6. 配当:不明
7. 優待:不明
TOB合戦となる可能性があるため、TOB価格の引き上げ、およびTOB期間の延長が考えられます。
ソフト99コーポレーションの株価の今後の見通し
9月18日(木)終値は4,110円でした。エフィッシモによるTOBが発表されたことで株価がTOB価格にサヤ寄せしました。さらにTOB合戦への期待感から株価がTOB価格を上回っています。ソフト99コーポレーションの株価は、TOB合戦が終わるまで段階的に値上がりする予定です。
ソフト99コーポレーションのTOBに応募するメリット
ソフト99コーポレーションのTOBに応募するメリットは、それぞれのTOB価格で売却できることです。
具体的には、ソフト99コーポレーションの株式を保有している証券会社から、それぞれの証券会社に移管し、売却手続きを行う必要があります。
MBOによるTOBに申し込むなら、三菱UFJモルガン・スタンレー証券または三菱UFJ eスマート証券へ移管し、売却します。
一方、エフィッシモによるTOBに申し込むなら、立花証券またはDMM.com証券へ移管し、売却します。
ソフト99コーポレーションのTOBによる配当への影響
ソフト99コーポレーションは3月決算の企業です。毎年9月末に中間配当、3月末に期末配当の権利確定日があります。
2026年3月期の中間配当および期末配当は、MBOによるTOBが成立した場合に無配となる予定です。エフィッシモによるTOBが成立した場合は、詳細が後日発表される予定です。
ソフト99コーポレーションのTOBによる株主優待への影響
ソフト99コーポレーションの株主優待は、自社及び自社グループ製品です。毎年3月末の株主は年1回、優待を受け取れました。
2026年3月末に権利が確定する優待は、TOB実施に伴い、廃止が決定しました。2025年3月優待が最後となります。
ソフト99コーポレーションのTOBと株主への影響
TOB価格が2025年3月の高値である1,807円を上回るため、多くの株主が利益を確定できる状況となります。TOB発表前の株主は、どちらのTOBが成立しても保有株式の売却によって株主の利益が確定します。
投資家が検討するポイント
(1)含み益がある場合:TOBに応募することで利益を確定できる
(2)資金を早急に確保したい場合:すでに売却済み
(1)MBOによるTOBに応募するには、原則として、三菱UFJモルガン・スタンレー証券または三菱UFJ eスマート証券の口座が必要です。また、エフィッシモによるTOBに応募するには立花証券またはDMM.com証券の口座が必要です。口座をお持ちの方は、応募手続きをご確認ください。
(2)8月6日にTOBが発表されました。急ぐ投資家は、すでに売却済みでしょう。