TACのMBOによる上場廃止と配当金、株主優待、株主への影響について(TOB価格350円)
2025年8月6日、東証スタンダード上場で資格の学校でおなじみのTAC(4319)は、MBO(経営陣等による自社買収)によるTOB(株式公開買い付け)を発表しました。
MBOによるTACの上場廃止
TACの経営陣等が、新たに設立した株式会社JPECを通じて株式をすべて買い取って非公開化するため、同社は上場廃止となる予定です。
TACの株主は、TOBに応募して保有株を売却するか、株式市場で売却することもできます。
TACのTOBの条件とスケジュール
1. TOB価格:350円
2. TOB期間:2025年8月7日(木)から9月19日(金)まで(30営業日)
3. 決済の開始日:2025年9月29日(月)
4. 買付予定株式数:5,943,700株(下限)
5. 買付代理人:大和証券
6. 配当:TOB成立を条件に無配となる予定
7. 優待:TOB成立を条件に廃止される予定
TACの株価の今後の見通し
8月6日の終値は239円でした。TOB価格の350円が終値を上回るため、発表後、株価はTOB価格に近づく形で上昇し、その後は上場廃止まで350円近辺で大きな変動はなく推移すると考えられます。
TACのTOBに応募するメリット
TACのTOBに応募するメリットは、TOB価格の350円で売却できることです。
具体的には、TACの株式を保有している証券会社から、大和証券へ移管し、応募手続きを行う必要があります。
TOBが成立した場合、2025年9月29日以降に買付代金が支払われる予定です。
TACのTOBによる配当への影響
TACは3月決算の企業です。毎年9月末に中間配当、3月末に期末配当の権利確定日があります。
2026年3月期の中間配当および期末配当は、TOBが成立した場合に無配となる予定です。TOBが不成立となった場合は、配当については再度検討される可能性があります。
TACのTOBによる株主優待への影響
TACの株主優待は、講座受講料の割引券です。毎年3月末と9月末の株主は年2回、優待を受け取れました。
2025年9月末に権利が確定する優待は、TOBが成立した場合に廃止される予定です。優待が廃止された場合は、2025年3月末の優待が最後となります。
なお、優待の廃止後も、すでに発行済の割引券は有効期限まで利用できます。
TACのTOBと株主への影響
TOB価格の350円は、発表前日の終値(239円)や過去の高値(269円)を大幅に上回る水準です。これにより、多くの株主が利益を確定できる状況となります。TACの上場廃止が決定すれば、保有株式の売却によって株主の損益も確定します。
投資家が検討するポイント
(1)含み益がある場合:TOBに応募することで利益を確定できる
(2)資金を早急に確保したい場合:株式市場で売却することもできる
(1)TOBに応募するには、原則として大和証券の口座が必要です。口座がある方は応募手続きをご確認ください。
(2)8月7日は株価が急騰し、ストップ高比例配分となる可能性が高いです。8日以降の株式市場で売却できます。