(引き上げ)ファンケルのTOBによる上場廃止と配当金、株主優待、株主の今後について(TOB価格2,800円)
2024年6月14日取引終了後、ビールや飲料でおなじみ、東証プライム上場のキリンホールディングス(2503)は、ファンケル(4921)に対してTOB(株式公開買い付け)を行うと正式発表しました。
ファンケルが上場廃止になる理由について
キリンホールディングスがファンケルの残りの株を全部買い取って非公開にするため、ファンケルは上場廃止になる予定です。
ファンケルの株主は、TOBに参加して保有株を買い取ってもらうか、もしくは株式市場で売却できます。
ファンケルのTOBの条件とスケジュール(日程)について
(1)TOB価格・・・2,800円
(2)TOB期間・・・2024年6月17日(月)から9月11日(水)まで
(3)決済の開始日・・・2024年9月19日(木)
(4)買付予定株数・・・上限なし、下限4111万7700株
(5)証券会社・・・野村證券
(6)配当・・・TOB成立を条件に無配
(7)優待・・・TOB成立を条件に廃止
TOB価格2,800円、TOB期間は2024年6月17日(月)から9月11日(水)までの61営業日です。
2025年3月期の配当金については、TOB成立を条件に無配になります。2025年3月優待についても、TOB成立を条件に廃止されます。
ファンケルの今後の株価について
8月7日終値2,792.5円。TOB価格引き上げの発表で、株価がTOB価格にサヤ寄せしました。
ファンケルのTOBに参加するメリットと手続きについて
TOBに参加するメリットはTOB価格2,800円で買い取ってもらえること、手続きを経験できることです。
具体的には、ファンケルの株を買った証券会社から、野村證券に移管して(移動して)売却します。
TOBに申し込むと、2024年9月19日以降に投資資金が戻ってきます。
ファンケルの配当金について
・2024年3月期の中間配当(23年9月)・・・1株17円
・2024年3月期の期末配当(24年3月)・・・1株17円
・2025年3月期の中間配当(24年9月)・・・無配
・2025年3月期の期末配当(25年3月)・・・無配
ファンケルは3月決算企業です。毎年9月末に中間配当、翌年3月末に期末配当の権利がもらえます。
2025年3月期の配当金については、TOB成立を条件に無配になります。前回予想は1株17円でした。
ただし、無配になるのはTOB成立が条件ですから、不成立となった場合は元に戻る可能性があります。
ファンケルの株主優待について
(廃止になる優待)
(1)対象となる株主・・・毎年3月31日現在の株主名簿に記載または記録された、100株以上を半年以上保有する株主
(2)株主優待の内容
・100株以上・・・3,000円相当の自社製品またはファンケル銀座スクエア利用券
・200株以上・・・6,000円相当の自社製品またはファンケル銀座スクエア利用券
ファンケルの株主優待は自社製品または利用券です。毎年3月末の株主は年1回、優待がもらえます。
2025年3月優待については、TOB成立を条件に廃止されます。2024年3月優待が最後です。
ただし、優待が廃止されるのもTOB成立が条件ですから、不成立となった場合は元に戻る可能性があります。
ファンケルの株主の今後について
ファンケルの月足チャートです。TOB価格の水準に黄色の線を引いています。黄色の線より下の水準で買った株主は含み益、上の水準で買った株主は含み損の状態です。
仮にファンケルの上場廃止が決定すると、株主の損益も確定します。
(1)含み益の投資家・・・TOB参加
(2)資金回収を急ぐ投資家・・・すでに売却済み
(3)優待投資家・・・廃止後に乗り換える
(1)TOBに参加するには野村證券の口座が必要です。口座がある方は試してみてください。
(2)株価がTOB価格に到達しました。急ぐ投資家は、すでに売却済みでしょう。
(3)TOBが成立すると優待が廃止されるので、別の銘柄に乗り換えます。