制限値幅4倍の効果(取引しやすくなった)
証券取引所の制限値幅の拡大運用の見直し(8月3日から上下4倍に)の続きです。
8月3日から始まった4倍の適用。
3日・4日と連続ストップ高となり、初めて適用される銘柄が出ました。ベガコーポレーション(3542)、川澄化学工業(7703)、スクロール(8005)の3銘柄です。
・ベガコーポレーション(3542)・・・4日終値2,812円、ストップ高2,000円(以前は500円)
・川澄化学工業(7703)・・・4日終値1,084円、ストップ高1,200円(以前は300円)
・スクロール(8005)・・・4日終値749円、ストップ高600円(以前は150円)
ストップ高が2営業日続くと、3営業日目から通常の4倍に拡大されます。例えば、ベガコーポレーションなら、以前は500円しか上がらないところが、5日から4倍の2,000円上がる可能性がありました。
それぞれの株価を見てみましょう。
スクロール日足チャート
5日・・・始値764円、高値811円、安値700円、終値735円、出来高872万2800株
まずはスクロールです。この日はストップ高が1,349円、ストップ安が599円になります。
拡大されたことで、逆に勢いが落ち着きました。新制度になる前から起きていた現象です。
ただ、上へ下へと乱高下しているので、短期売買に最適な銘柄でした。
川澄化学工業日足チャート
5日・・・始値1,697円、高値1,701円、安値1,696円、終値1,697円、出来高168万7300株
次に川澄化学工業です。ストップ高が2,284円、ストップ安が784円になります。
しかし、ここはTOB銘柄ですから、TOB価格1,700円に到達すると、その後は横ばいです。旧制度より早い期間でサヤ寄せが完了し、株主にとって換金しやすい環境になりました。
ベガコーポレーション日足チャート
5日・・・始値4,135円、高値4,265円、安値3,670円、終値3,890円、出来高424万3000株
最後はベガコーポレーションです。ストップ高が4,815円、ストップ安が2,312円になります。
一番効果があった銘柄です。3分おきに買い気配が更新されて、9時59分に4,135円で寄り付きます。
短期間でこれだけ株価が上がるのは拡大のおかげです。今まではストップ高が連続すると、毎日、株価が上がるのを見ているだけでした。上がりすぎたら急落に警戒する必要があり、気軽に参加することもできません。
4倍になったおかげで、以前に比べて取引しやすくなりました。これは便利な制度です。