証券取引所の制限値幅の拡大運用の見直し(8月3日から上下4倍に)
2020年8月3日(月)以降、ストップ高・ストップ安が連続した場合の運用が変わります。
・2営業日ストップ高(ストップ安)が続くと、3営業日目から4倍に拡大
詳細は以下の通りです。
(変更前)
・拡大要件・・・3営業日連続で(1)または(2)に該当すると、4営業日目から値幅が拡大される
(1)ストップ高・ストップ安となり、ストップ配分も行われず、売買高が0株
(2)後場終了時にストップ高・ストップ安で売買成立し、かつ、ストップ高・ストップ安に呼値の残数あり
・拡大方向、拡大幅・・・上限下限がそれぞれ2倍になる
・解除要件・・・ストップ高・ストップ安の値段以外で売買成立すると翌営業日から解除される
(変更後)
・拡大要件・・・2営業日連続で(1)または(2)に該当すると、3営業日目から値幅が拡大される
・拡大方向、拡大幅・・・上限下限がそれぞれ4倍になる
・解除要件・・・ストップ高・ストップ安の値段以外で売買成立すると翌営業日から解除される
今まではストップ高(ストップ安)が3営業日連続すると、4営業日目からストップ高(ストップ安)の値幅が2倍になりました。
8月3日から、2営業日連続すると、3営業日目からストップ高(ストップ安)の値幅が4倍に拡大されます。
少しややこしいので、当ブログで出てくる具体的な例で紹介します。例えば、株価500円のA企業にTOB(株式公開買い付け)が発表されました。TOB価格1,500円とします。
この場合、株価は翌日以降にストップ高となり、TOB価格1,500円に近づくまで、ひたすら上がり続けます。この現象をサヤ寄せといいます。
変更前・変更後の株価推移
日付 | 変更前 | 変更後 | ||
---|---|---|---|---|
株価 | 前日比 | 株価 | 前日比 | |
発表 | 500 | - | 500 | - |
1日 | 600 | +100 | 600 | +100 |
2日 | 700 | +100 | 700 | +100 |
3日 | 850 | +150 | 1,300 | +600 |
4日 | 1,150 | +300 | 1,500 | +200 |
5日 | 1,500 | +350 | - | - |
変更前の制度では、TOB価格に近づくまで5営業日かかりました。変更後になると、4営業日に短縮されます(太字は拡大後の値幅)。
明日100万円もらえるのと、1年後に100万円もらえるのと、どちらがトクか?
という考え方と同じです。株主は、株価ができるだけ早く1,500円になった方がトクになります。
変更直後は、株価が極端に上がりすぎる(下がりすぎる)ので少し戸惑うかもしれません。しかし、徐々に慣れて便利さが上回ると思います。