デジタルホールディングスのTOBによる上場廃止と配当金、株主への影響について
東証プライム上場の博報堂DYホールディングス(2433)は、2025年9月11日(木)に同じくプライム上場のデジタルホールディングス(2389)に対し、株式公開買い付け(TOB)を実施すると発表しました。
デジタルホールディングスのTOB:株式の非公開化で上場廃止へ
このTOBは、博報堂DYホールディングスがデジタルホールディングスの株式をすべて買い取って非公開化することを目的としており、成立すればデジタルホールディングスは上場廃止となる見込みです。
10月20日(月)には、投資ファンドのシルバーケイプ・インベストメンツもTOBを発表しました。シルバーケイプのTOBは買付予定株式数に上限を設定していないため、TOBの申し込みが下限を上回っていれば、すべて買い取ります。ただし、博報堂によるTOBが成立していないことが実施の条件となります。
デジタルホールディングスの株主は、どちらのTOBに申し込むのがトクなのか? それぞれの条件を比べてみましょう。
博報堂DYホールディングスによるTOBの条件とスケジュール
1. TOB価格:1,970円
2. TOB期間:2025年9月12日(金)から11月12日(水)まで(40営業日)
3. 決済の開始日:2025年11月19日(水)
4. 買付予定株式数:7,572,454株(下限)
5. 買付代理人:SMBC日興証券
6. 配当:TOB成立を条件に無配となる予定
シルバーケイプ・インベストメンツによるTOBの条件とスケジュール
1. TOB価格:2,380円
2. TOB期間:2025年11月下旬開始予定(20営業日)
3. 決済の開始日:2025年12月下旬
4. 買付予定株式数:3,535,700株(下限)
5. 買付代理人:三田証券
6. 配当:不明
デジタルホールディングスの株価の今後の見通し
10月20日(月)の終値は2,315円でした。シルバーケイプによるTOBが発表されたことで、TOB合戦に発展する可能性があります。デンタルホールディングスの株価は、TOB合戦が終わるまで段階的に値上がりする予定です。
TOBに応募するメリット
デジタルホールディングスのTOBに応募するメリットは、それぞれのTOB価格で売却できることです。
具体的には、デジタルホールディングスの株式を保有している証券会社から、それぞれの証券会社に移管し、売却手続きを行う必要があります。
博報堂によるTOBに申し込むなら、SMBC日興証券へ移管し、売却します。
一方、シルバーケイプによるTOBに申し込むなら、三田証券へ移管し、売却します。
TOBによる配当への影響
デジタルホールディングスは12月決算の企業です。毎年6月末が中間配当、12月末が期末配当の権利確定日です。
2025年12月期の期末配当は、博報堂によるTOB成立を条件に無配となる予定です。TOBが不成立となった場合は、配当が再度検討される可能性があります。
デジタルホールディングスのTOBによる株主への影響
シルバーケイプによるTOB価格2,380円が10月20日終値である2,315円を上回るため、多くの株主が利益を確定できる状況となります。どちらかのTOBが成立すれば、保有株式の売却によって株主の損益が最終的に確定します。
投資家が検討するポイント
(1)含み益がある場合:TOBに応募することで利益を確定できる
(2)資金を早急に確保したい場合:すでに売却済み
(1)博報堂によるTOBに応募するには、原則としてSMBC日興証券の口座が必要です。また、シルバーケイプによるTOBに応募するには、原則として三田証券の口座が必要です。口座がある方は応募手続きをご確認ください。
(2)TOBは9月11日に発表されました。急ぐ投資家は、すでに売却済みでしょう。







