小林製薬の株価急落と株主優待について
小林製薬の株価が急落した理由について
2024年3月22日、東証プライム上場の小林製薬(4967)は、製造販売する紅麹(べにこうじ)サプリに健康被害が出たため、使用中止と自主回収を発表しました。
また、小林製薬は紅麹原料を52社に対して販売し、原料を使用した企業が対応に追われています。
この問題により、週明け25日(月)に小林製薬の株価が1,000円ストップ安の5,056円まで急落しました。
小林製薬日足チャート
・株価5,056円(前日比1,000円安)、出来高53万9900株
25日は売り注文が殺到し、ストップ安比例配分になっています。大量の売り注文を残して25日の取引を終えました。
一般的に、不祥事を起こした企業が上場企業の場合、株価を使って、おおよその損失額を見積もることができます。
・1,000円×発行済株式総数7805万株=780億5000万円
この日下落したのが1,000円分、小林製薬の発行済株式総数は7805万株です。25日だけで小林製薬の時価総額が780億円も吹き飛びました。
投資家は、自主回収にかかる費用と売上減少による損失額を合わせた金額が、780億円より高いか安いかを判断します。
仮に、780億円より損失額が小さいと考えれば株価の反発を予想し、損失額が大きいと考えれば26日以降の下落を予想します。
小林製薬の株主優待について
(自社製品など)
(1)対象となる株主・・・毎年6月30日、12月31日現在の株主名簿に記載または記録された100株以上保有の株主
(2)株主優待の内容
・100株以上・・・自社製品詰め合わせ5,000円相当、通信販売10%割引
(ギフト)
(1)対象となる株主・・・毎年12月31日現在の株主名簿に記載または記録された300株以上を3年以上保有する株主
(2)株主優待の内容
・300株以上(3年以上)・・・復興支援選べるギフト
小林製薬の株主優待は自社製品の詰め合わせ等です。毎年6月末と12月末の株主は年2回、優待がもらえます。
優待をもらうための投資資金について
・株価5,000円×100株=50万円(5,000円相当)
・株価5,000円×300株=150万円(ギフト)
小林製薬の株価が5,000円の場合です。優待をもらうためには50万円以上の資金が必要です。
次回、2024年6月優待の権利付き最終日は2024年6月26日(水)です。優待がほしい方は6月26日までに買えば間に合います。
小林製薬の優待利回りについて
・1万円(5,000円相当×年2回)÷50万円(5,000円×100株)×100=年2%
・1万円(5,000円相当×年2回)÷25万円(2,500円×100株)×100=年4%
・1万円(5,000円相当×年2回)÷10万円(1,000円×100株)×100=年10%
小林製薬の株価が5,000円、2,500円、1,000円と値下がりした場合の優待利回りです。値下がりするほど投資資金が少なくなるので、優待利回りも高くなります。
株主優待があると、株価が下がりにくくなります。値下がりで優待投資家が買い注文をいれるからです。優待利回り10%の銘柄は貴重ですから、どこかで下げ止まるでしょう。
もちろん、業績が急激に悪化し、無配や優待廃止、上場廃止になると話が変わります。