永谷園のMBOによる上場廃止と配当金、優待廃止、株主の今後について(TOB価格3,100円)
2024年6月3日、お茶づけ海苔や即席みそ汁、松茸味のお吸い物でおなじみ、東証プライム上場の永谷園ホールディングス(2899)がMBO(経営陣等による自社買収)によるTOB(株式公開買い付け)を発表しました。
永谷園ホールディングスが上場廃止になる理由について
経営陣等が永谷園ホールディングスの残りの株を全部買い取って非公開にするため、永谷園ホールディングスは2024年9月下旬に上場廃止になる予定です。
永谷園ホールディングスの株主は、TOBに参加して保有株を買い取ってもらうか、もしくは株式市場で売却できます。
永谷園ホールディングスのTOBの条件とスケジュール(日程)について
(1)TOB価格・・・3,100円
(2)TOB期間・・・2024年6月4日(火)から7月16日(火)まで
(3)決済の開始日・・・2024年7月23日(火)
(4)買付予定株数・・・上限なし、下限956万4700株
(5)証券会社・・・野村證券
(6)配当・・・TOB成立を条件に無配
(7)優待・・・TOB成立を条件に廃止
TOB価格3,100円、TOB期間は2024年6月4日(火)から7月16日(火)までの30営業日です。
配当金についてはTOB成立を条件に無配になります。株主優待についてもTOB成立を条件に廃止されます。
永谷園ホールディングスの今後の株価について
・6月3日・・・2,240円
・6月4日・・・2,740円(+500)
・6月5日・・・3,100円(+360)
6月4日以降に株価が上昇し、TOB価格にサヤ寄せする予定です。
その後は上場廃止まで横ばいが続く見込みです。6月5日にTOB価格付近に到達するでしょう。
永谷園ホールディングスのTOBに参加するメリットと手続きについて
永谷園ホールディングスのTOBに参加するメリットはTOB価格3,100円で買い取ってもらえること、手続きを経験できることです。
具体的には、永谷園ホールディングスの株を買った証券会社から、野村證券に移管して(移動して)売却します。
TOBに申し込むと、2024年7月23日以降に投資資金が戻ってきます。
永谷園ホールディングスの配当金への影響について
永谷園ホールディングスは3月決算企業です。毎年9月末に中間配当、翌年3月末に期末配当の権利がもらえます。
永谷園ホールディングスの配当金について
・2024年3月期の中間配当(23年9月)・・・15.50円
・2024年3月期の期末配当(24年3月)・・・15.50円
・2025年3月期の中間配当(24年9月)・・・無配
・2025年3月期の期末配当(25年3月)・・・無配
2025年3月期の配当金については、TOB成立を条件に無配になります。前回予想は中間配当、期末配当ともに1株15.50円でした。
ただし、配当金がなくなるのはTOB成立が条件ですから、不成立となった場合は元に戻る可能性があります。
永谷園ホールディングスの株主優待について
(廃止される予定の優待)
(1)対象となる株主・・・毎年3月31日現在の株主名簿に記載または記録された100株以上保有の株主
(2)株主優待の内容
・100株以上・・・自社グループ商品詰め合わせ1,000円相当
永谷園ホールディングスの株主優待は商品詰め合わせです。毎年3月末の株主は年1回、優待がもらえました。
次回、2025年3月優待については、TOB成立を条件に廃止されます。2024年3月優待が最後です。最後の優待は6月上旬に発送予定です。
ただし、株主優待も廃止されるのはTOB成立が条件ですから、不成立となった場合は元に戻る可能性があります。
永谷園ホールディングスの株主の今後について
永谷園ホールディングスの月足チャートです。TOB価格が直近の高値を上回るため、多くの株主は含み益の状態です。仮に永谷園ホールディングスの上場廃止が決定すると、株主の損益も確定します。
(1)含み益の投資家・・・TOB参加
(2)資金回収を急ぐ投資家・・・夜間取引または株式市場で売却
(3)優待投資家・・・優待廃止後に乗り換える
(1)TOBに参加するには野村證券の口座が必要です。口座がある方は試してみてください。
(2)6月4日の夜間取引から売却できます。SBI証券や楽天証券、松井証券で買った方は試してみてください。その他の方は5日の株式市場で売却できます。
(3)7月17日以降にTOBの結果がわかります。成立すると優待が廃止されるので、別の銘柄に乗り換えます。最短で7月優待に間に合います。権利付き最終日は2024年7月29日(月)です。
ただし、TOB期間が延長された場合は、スケジュールが後ズレします。そのときは8月優待または9月優待がターゲットです。