アルプス物流のTOBによる上場廃止と配当金、株主優待、株主の今後について(TOB価格5,774円、手続きはauカブコム証券など)
2024年5月9日、米投資ファンドのKKRは(子会社を通じて)、東証プライム上場のアルプス物流(9055)に対してTOB(株式公開買い付け)を行うと正式発表しました。
アルプス物流が上場廃止になる理由について
投資ファンドがアルプス物流の株を全部買い取って非公開にするため、アルプス物流は上場廃止になる予定です。
アルプス物流の株主は、TOBに参加して保有株を買い取ってもらうか、もしくは株式市場で売却できます。
アルプス物流のTOBの条件とスケジュール(日程)について
(1)TOB価格・・・5,774円
(2)TOB期間・・・2024年8月中旬ごろ開始予定(30営業日)
(3)決済の開始日・・・2024年9月下旬~10月上旬
(4)買付予定株数・・・上限なし、下限636万8200株
(5)証券会社・・・三菱UFJモルガン・スタンレー証券、auカブコム証券
(6)配当・・・無配
(7)優待・・・廃止(予定)
TOB価格5,774円。TOBは2024年8月中旬ごろ開始で、30営業日を予定しています。
2025年3月期の配当金については無配が決定しました。アルプス物流の株を保有し続けても、配当金はもらえません。
アルプス物流の今後の株価について
5月13日終値5,620円。株価がTOB価格にサヤ寄せしました。
株価5,620円÷TOB価格5,774円×100≒97.33%
過去の事例では、上場廃止予定の銘柄の株価は、TOB価格の99%~99.5%で推移することが多いです。
ただし、発表からTOB開始まで時間が空くと、株価が割安で推移するケースがあります(例:東芝など)。アルプス物流はこちらに当てはまるようです。
アルプス物流のTOBに参加するメリットと手続きについて
アルプス物流のTOBに参加するメリットはTOB価格5,774円で買い取ってもらえること、手続きを経験できることです。
具体的には、アルプス物流の株を買った証券会社から、三菱UFJモルガン・スタンレー証券またはauカブコム証券に移管して(移動して)売却します。
TOBに申し込むと、2024年9月下旬から10月上旬に投資資金が戻ってきます。
現在のように株価がTOB価格より安い場合は、TOBに参加した方が手取りが多くなります。投資資金を1円でも多く回収したい株主は、TOBに申し込むと良いでしょう。
アルプス物流の配当金について
・2024年3月期の期末配当(24年3月)・・・1株22円
・2025年3月期の中間配当(24年9月)・・・無配
・2025年3月期の期末配当(25年3月)・・・無配
アルプス物流は3月決算企業です。毎年9月末に中間配当、翌年3月末に期末配当の権利がもらえます。
2024年3月期の期末配当は1株22円に決定しました。3月27日(水)まで株主を続けた方は配当金がもらえます。
2025年3月期の配当金については、中間配当・期末配当ともに無配が決定しました。アルプス物流の株を、これから保有し続けても配当金はもらえません。
アルプス物流の株主優待について
(廃止になる予定の優待)
(1)対象となる株主・・・毎年3月31日現在の株主名簿に記載または記録された100株以上保有の株主
(2)株主優待の内容
・100株以上・・・クオカード1,000円分
(3)発送時期・・・毎年6月下旬発送予定
アルプス物流の株主優待はクオカードです。毎年3月末の株主は年1回、優待がもらえました。
アルプス物流は上場廃止を予定しているので、2025年3月優待が廃止され、2024年3月優待が最後です。
最後の優待は2024年6月下旬に発送されます。
アルプス物流の株主の今後について
アルプス物流の月足チャートです。TOB価格が上場来高値を大幅に上回るため、株主は含み益の状態です。仮にアルプス物流の上場廃止が決定すると、株主の利益も確定します。
(1)含み益の投資家・・・TOB参加
(2)資金回収を急ぐ投資家・・・すでに売却済み
(1)TOBに参加するには三菱UFJモルガン・スタンレー証券またはauカブコム証券の口座が必要です。
ネットメインの方はauカブコム証券の口座を持っていると思います。試してみてください。
2024年8月中旬ごろ開始予定ですから、これから口座を準備しても間に合います。
(2)株価がTOB価格付近まで上昇しました。急ぐ投資家は、すでに売却済みでしょう。