ティーガイアのTOBによる上場廃止と配当金、優待廃止、株主の今後について(TOB価格2,670円)
2024年9月30日、米投資ファンドのベインキャピタルは、東証プライム上場のティーガイア(3738)に対して、TOB(株式公開買い付け)を行うと正式発表しました。
ティーガイアのTOBおよび上場廃止になる理由について
ベインキャピタルが、住友商事や光通信などの大株主の保有株を除く、残りの株を全部買い取って非公開にするため、ティーガイアは上場廃止になる予定です。
ティーガイアの株主は、TOBに参加して保有株を買い取ってもらうか、もしくは株式市場で売却できます。
ティーガイアのTOBの条件とスケジュール(日程)について
(1)TOB価格・・・2,670円
(2)TOB期間・・・2024年10月1日(火)から11月20日(水)まで
(3)決済の開始日・・・2024年11月27日(水)
(4)買付予定株数・・・上限なし、下限707万6300株
(5)証券会社・・・野村證券
(6)配当・・・TOB成立を条件に無配
(7)優待・・・TOB成立を条件に廃止
TOB価格2,670円、TOB期間は2024年10月1日(火)から11月20日(水)までの35営業日です。
配当金については、TOB成立を条件に無配になります。株主優待についても、TOB成立を条件に廃止されます。
ティーガイアの今後の株価について
・9月30日・・・3,670円
・10月1日・・・2,925円(-745)※基準値3,625円
・10月2日・・・2,670円(-255)
9月30日の後場の取引時間中にTOB報道がありました。東京証券取引所は14時42分からティーガイアの売買を停止します。取引終了後の15時に正式発表がありました。
TOB価格2,670円ですから、9月30日の株価に比べてディスカウントの状態です。10月1日から株価が下落し、TOB価格にサヤ寄せする予定です。10月2日にTOB価格付近に到達した後、上場廃止まで横ばいが続く見込みです。
ティーガイアのTOBに参加するメリットについて
ティーガイアのTOBに参加するメリットは、TOB価格2,670円で買い取ってもらえること、手続きを経験できることです。
具体的には、ティーガイアの株を買った証券会社から、野村證券に移管して(移動して)売却します。TOBに申し込むと、11月27日以降に投資資金が戻ってきます。
ティーガイアの配当金について
・2025年3月期の中間配当(24年9月)・・・無配
・2025年3月期の期末配当(25年3月)・・・無配
ティーガイアは3月決算企業です。毎年9月末に中間配当、翌年3月末に期末配当の権利がもらえます。
2025年3月期の配当金については、中間配当および期末配当ともに、TOB成立を条件に無配になります。前回予想は中間配当37.5円、期末配当37.5円、年間配当75円でした。
ただし、配当金がなくなるのはTOB成立が条件ですから、不成立となった場合は元に戻る可能性があります。
ティーガイアの株主優待について
(廃止になる優待)
(1)対象となる株主・・・毎年3月31日、9月30日現在の株主名簿に記載または記録された、100株以上を半年以上保有する株主
(2)株主優待の内容
・100株以上(半年以上)・・・クオカード1,000円分
・100株以上(3年以上)・・・クオカード2,000円分
・300株以上(半年以上)・・・クオカード1,000円分
・300株以上(3年以上)・・・クオカード3,000円分
ティーガイアの株主優待はクオカードです。毎年3月末と9月末の株主は年2回、優待がもらえます。
2024年9月優待が廃止されて、2024年3月優待が最後です。
ただし、優待が廃止されるのもTOB成立が条件となるので、不成立となった場合は元に戻る可能性があります。
ティーガイアのTOBと株主の今後について
ティーガイアの月足チャートです。TOB価格の水準に黄色の線を引いています。黄色の線より下の水準で買った株主は含み益、上の水準で買った株主は含み益の状態です。
TOB報道により、2024年6月下旬から株価が急騰しました。飛びついて買った投資家のほとんどが含み損と思われます。仮にティーガイアの上場廃止が決定すると、株主の損益も確定します。
(1)含み益の投資家・・・TOB参加
(2)資金回収を急ぐ投資家・・・夜間取引または株式市場で売却
(3)優待投資家・・・廃止後に乗り換える
(1)TOBに参加するには野村證券の口座が必要です。口座がある方は試してみてください。
(2)10月1日の夜間取引から売却できます。SBI証券や楽天証券、松井証券で買った方は試してみてください。その他の方は2日の株式市場で売却できます。
(3)11月21日以降にTOBの結果がわかります。成立すると優待が廃止されるので、別の銘柄に乗り換えます。最短で11月優待に間に合います。権利付き最終日は2024年11月27日(水)です。
ただし、TOB期間が延長された場合は、スケジュールが後ズレします。そのときは12月優待がターゲットです。