セブン&アイ・ホールディングスの上場廃止の可能性と配当金、株主優待の今後について
2024年8月19日、セブンイレブンやイトーヨーカドーでおなじみ、東証プライム上場のセブン&アイ・ホールディングス(3382)は、カナダのコンビニ大手「アリマンタシォン・クシュタール」から買収提案を受けたと発表しました。
以下、TOB(株式公開買い付け)による上場廃止と仮定して紹介します。
セブン&アイ・ホールディングスが上場廃止になる理由について
アリマンタシォン・クシュタールがセブン&アイ・ホールディングスの株を全部買い取って非公開にするため、セブン&アイ・ホールディングスは上場廃止になる可能性があります。
セブン&アイ・ホールディングスの今後の株価について
・8月16日・・・1,761円
・8月19日・・・2,161円(+400)
後場の取引時間中に報道されて株価が急騰しました。13時39分に400円ストップ高の2,161円をつけます。59分以降は買い気配です。引けの15時に比例配分となりました。
投資家の思惑で買われて株価が急騰しています。TOB価格が発表されると、株価がTOB価格にサヤ寄せする予定です。
例えば、TOB価格が2,500円であれば、株価も2,500円近辺まで上昇します。逆に、TOB価格が2,000円であれば、株価も2,000円以下に下落します。
短期投資家はTOB価格を予想しながら、駆け込みでセブン&アイ・ホールディングスに投資しています。
セブン&アイ・ホールディングスの買収金額と時価総額について
セブン&アイ・ホールディングスの19日終値が2,161円、発行済み株式数は26億3322万6549株です。時価総額を計算すると
株価2,161円×26億3322万6549株≒5兆6904億円
となります。買収金額が「5兆円規模」や「5兆円以上」と報道されているのは、この数字のことです。仮に19日の終値でセブン&アイ・ホールディングスの株を全部買い取るとすると、5兆円を超えます。
セブン&アイ・ホールディングスの配当金の今後について
セブン&アイ・ホールディングスは2月決算企業です。毎年8月末に中間配当、翌年2月末に期末配当の権利がもらえます。
セブン&アイ・ホールディングスの配当金について
・2025年2月期の中間配当(24年8月)・・・1株20円
・2025年2月期の期末配当(25年2月)・・・1株20円
2025年2月期の配当金については、中間配当および期末配当ともに、1株20円を予定しています。
ただし、セブン&アイ・ホールディングスが上場廃止になると、配当金が無配になります。一般的なケースは2つです。
(A)中間配当あり、期末配当なし
(B)中間配当なし、期末配当なし
(A)は、TOBの正式発表までに時間がかかるので、中間配当はもらえます。期末配当までに上場廃止になるので、期末配当は無配です。
(B)は、TOBが無配を前提として実施されるので、中間配当・期末配当どちらも無配になります。
その他、「TOB成立を条件として」の文言が付くことがあります。このケースは、TOBが成立すると配当金がなくなります。不成立になると、配当金が復活する可能性があります。
セブン&アイ・ホールディングスの配当金の権利付き最終日について
・2025年2月期の中間配当・・・権利付き最終日:2024年8月28日(水)
・2025年2月期の期末配当・・・権利付き最終日:2025年2月26日(水)
中間配当の権利付き最終日は2024年8月28日(水)です。この日までにセブン&アイ・ホールディングスの株主になると、中間配当の権利がもらえます。既存株主は保有し続けて29日に持ち越すと、中間配当の権利がもらえます。
29日以降にセブン&アイ・ホールディングスの株を売却して現金化し、配当の権利だけもらうこともできます。
セブン&アイ・ホールディングスの株主優待について
(2024年8月優待)
(1)対象となる株主・・・2024年8月31日現在の株主名簿に記載または記録された100株以上保有の株主
(2)株主優待の内容
・100株以上・・・セブン&アイ共通商品券2,000円分
・400株以上・・・セブン&アイ共通商品券2,500円分
・700株以上・・・セブン&アイ共通商品券3,000円分
(3)発送時期・・・2024年12月下旬ごろ発送予定
(2025年2月優待~)
(1)対象となる株主・・・毎年2月末現在の株主名簿に記載または記録された100株以上保有の株主
(2)株主優待の内容
・100株以上・・・セブン&アイ共通商品券2,000円分(3年以上:2,500円分)
・400株以上・・・セブン&アイ共通商品券2,500円分(3年以上:3,000円分)
・700株以上・・・セブン&アイ共通商品券3,000円分(3年以上:3,500円分)
(3)発送時期・・・毎年6月下旬ごろ発送予定
セブン&アイ・ホールディングスの株主優待は商品券です。毎年2月末の株主は年1回、優待がもらえます。
2024年8月優待のみ、8月に実施されます。
株主優待についても、セブン&アイ・ホールディングスが上場廃止になると、優待が廃止されます。一般的なケースは2つです。
(C)24年8月優待あり、25年2月優待なし
(D)24年8月優待なし、25年2月優待なし
(C)は、TOBの正式発表までに時間がかかるので、8月優待はもらえます。2月優待までに上場廃止になるので、優待は廃止です。
(D)は、TOBが廃止を前提として実施されるので、どちらも廃止されます。(D)に当てはまると、2024年4月10日に優待が新設されたばかりですから、誰も優待をもらわずに終了することになります。
その他、「TOB成立を条件として」の文言が付くことがあります。このケースは、TOBが成立すると優待がなくなります。不成立になると、優待が復活する可能性があります。
セブン&アイ・ホールディングスの株主優待の権利付き最終日について
・2024年8月優待・・・権利付き最終日:2024年8月28日(水)
・2025年2月優待・・・権利付き最終日:2025年2月26日(水)
24年8月優待の権利付き最終日は2024年8月28日(水)です。この日までにセブン&アイ・ホールディングスの株主になると、優待の権利がもらえます。既存株主は保有し続けて29日に持ち越すと、優待の権利がもらえます。
29日以降にセブン&アイ・ホールディングスの株を売却して現金化し、優待の権利だけもらうこともできます。