常磐興産の株主優待タダ取りについて(スパリゾートハワイアンズ)
常磐興産の続きです。
9月9日、米投資ファンドのフォートレスは、スパリゾートハワイアンズを運営する常磐興産(9675)に対してTOB(株式公開買い付け)を発表しました。ここ数日、スパリゾートハワイアンズが買収されるとニュースになっています。
TOB価格は1,650円。TOB期間は2024年9月10日(火)から10月24日(木)までの30営業日です。常磐興産は上場廃止になる予定です。
常磐興産の今後の株価と株主優待がタダでもらえる可能性について
常磐興産の上場廃止により、2025年3月優待は廃止されます。2024年9月優待が最後のため、優待投資家が殺到することが予想されます。新規の投資家でも、常磐興産の株主になると優待がもらえます。
今年は最短だと「9月26日購入→27日売却」で優待の権利がもらえます。
・9月26日購入・・・優待がもらえる(権利付き最終日)
・9月27日購入・・・優待がもらえない(権利落ち日)
一般的に、優待がもらえる銘柄は、権利付き最終日を過ぎると株価が下がる傾向があります。優待権利落ちによる下落です。
ところが、常磐興産はTOB期間中ですから、株価が下がったら常磐興産の株主になってTOBに申し込めば、保有株を1,650円で買い取ってくれます。TOB価格と買値との差額が利益です。そのため、権利落ち日の株価急落は起きにくいと思われます。
これらを踏まえて、今後考えられるパターンは以下の3つです。
(1)TOB価格+αで株価が推移する
投資家が優待の換金価値を評価すると、1,650円より高い株価で横ばいになるかもしれません。
常磐興産の優待はスパリゾートハワイアンズなどの無料入場券、宿泊割引券、飲食割引券等です。換金価値がわかりやすいので、株価も予想しやすいです。
優待の権利がなくなる9月27日から、1,650円を少し下回る水準に戻ります。
(2)株主優待が実質タダで取り放題になる
逆に、優待の価値を無視して、ずっと1,650円より少し下回る水準で株価が推移するケースです(1,630円~1,640円)。
そのときは、割引券等が16万5000円の資金でタダ取りできるようになります。
(3)株主優待の廃止を発表
2025年3月優待だけでなく、2024年9月優待も廃止されるケースです。「TOBに申し込んだ株主も2024年9月優待の権利がもらえる」との発表があるので可能性は低いですが、ゼロではありません。
優待の廃止だけなら株価が下がることはないので、損失は小さいでしょう。SBI証券や楽天証券などで買えば、売買手数料もかかりません。
常磐興産の優待に必要な投資資金について(株価1,650円)
・株価1,650円×100株=16万5000円
・株価1,650円×500株=82万5000円
・株価1,650円×1,000株=165万円
・株価1,650円×10,000株=1650万円
常磐興産の株価が1,650円のケースです。常磐興産の優待は、株数が少ない株主ほど有利です。まとめ買いするよりも、複数人で少ない株数を買う方が優待が多くなります。
「家族の人数分だけ100株ずつ」といった買い方がオススメです。
「常磐興産の優待タダ取り」のまとめ
直近の事例では、TOB価格の引き上げを狙った思惑的な取引が増えています。優待の権利がもらえるだけでなく、株価の上昇も期待できます。優待のタダ取りに挑戦しやすい環境が整っています。
スパリゾートハワイアンズを利用される方で、投資資金に余裕のある方は試してみてはいかがでしょうか。