日立化成、昭和電工によるTOB成立と株価急騰
日立化成のTOB開始と株主の今後について(情報更新)の続きです。
・TOB成立
・結果発表の直前に株価急騰
東証1部上場の昭和電工(4004)は、日立化成(4217)に対して、TOB(株式公開買い付け)を実施していました。
TOB価格4,630円、TOB期間は2020年3月24日(火)から4月20日(月)までの20営業日です。
4月21日15時に結果が発表され、「TOB成立」しました。
TOBの結果について
今回のTOBは、購入株数に下限が設定されています。1億3881万2200株です。株主の応募がこの株数に満たない場合は、全ての買付が行われません。
これに対して、株主が応募した株数の合計は1億8241万2507株でした。下限をクリアしたので、応募した株数は全て昭和電工(の子会社)が買い取ります。
議決権が87%を超えたことから、今後、上場廃止に向けた手続きが進む見込みです。
応募した株主の今後について
TOBに応募した株主は、4月28日以降、「4,630円×株数」の投資資金が戻ってきます。
例えば、100株応募した場合
TOB価格4,630円×100株=46万3000円
となり、投資資金46万3000円が戻ります。口座が反映される時期は送金方法によって異なります。
気になる方は、みずほ証券で聞いてみてはいかがでしょうか。
日立化成の株価がTOB価格を上回る
4月21日、日立化成の株価がTOB価格4,630円を超えました。
日立化成2020年4月21日5分足チャート
・始値4,615円、高値4,795円、安値4,615円、終値4,650円
TOB価格の水準に黄色の線を引いてみました。
前場終了間際から後場開始直後に急騰し、高値4,795円をつけています。
その後は失速しましたが、終値でもTOB価格を超えています。
おそらく、TOB失敗を期待した買いではないでしょうか。TOB開始が遅くなっていたことや成立が危ぶまれていたことから、失敗すればTOB価格引き上げが期待できます。
少しくらい、TOB価格より高い値段で買っても、TOB価格の引き上げがあれば、そのチャレンジは成功です。
もちろん、TOBは成立しましたから、期待通りの結果になっていません。
なお、昭和電工がTOBで日立化成株のほとんどを買い占めているので、市場に流通する株が極端に少ないです。
積極的に取引するのはオススメしませんが、株価を外から眺めるのは楽しいと思います。