ガンホーの株価はこれから下がり続けるのか?(後編)
前編の続きです。マニアックですので、興味のある方だけ、ご覧ください。
ディスカウントTOBについて
TOB価格34万0276円にしたのは理由があります。
それは、大株主間の売買だからです。IRにもあるように、ソフトバンクと第3位の大株主アジアングルーヴの売買が予定されています。大株主としては、一般投資家の応募がなければ、希望の株数が売却できます。
もし、今回のTOBがプレミアム付きであれば、TOB参加者が増加します。
仮に、TOB参加者が増加すれば、どのようになるか?
ソフトバンクの購入株数よりも大量のTOB申込みがあると、そのときは株主間で公平に買い取る仕組みが採られます。
これを「按分比例(あんぶんひれい)」といます。
たとえば、ソフトバンクが10株買いたいとして、Aさんが10株応募、Bさんが6株応募、Cさんが4株応募したとしましょう。
Aさん・Bさん・Cさんの株数は合計20株。
それに対して、ソフトバンクの希望は10株です。
この場合、公平に半分ずつソフトバンクが買い取ることになります。そうすると、Aさんが5株、Bさんが3株、Cさんは2株となります。
仮に、Aさんが大株主だとすると、売りたいと思っていた半分しか売れません。これでは困ります。
しかし、TOB価格が株価より安ければ、Bさん、Cさんの応募はありません。
Aさん「ガンホー株を売りたい」
Bさん「俺も売りたい」
Cさん「俺も売りたい」
TOB価格<株価
Bさん・Cさん「どうぞどうぞ」
となり、Aさんの応募10株がそのままソフトバンクに買い取られ、めでたしめでたしとなります。
最近、大株主間の取引で「ディスカウントTOB+上場維持」のケースがたくさん出ています。その多くが、TOB期間中は、株価がTOB価格を上回る水準で推移しています。
おそらく、ガンホーも同様のケースになるのではないかと予想しています。