ポラテクノの配当タダ取りについて
ポラテクノの上場廃止と配当金、株主の今後についての続きです。
8月27日、東証1部上場の日本化薬(4272)はポラテクノ(4239)に対して、TOB(株式公開買付)を行うと発表しました。
TOB価格は993円、TOB期間は2019年8月28日(水)から10月10日(木)までの30営業日です。
手続きが順調に進むと、ポラテクノは上場廃止になります。
ただ、2020年3月期の中間配当が1株7.5円もらえるので、いつもと違う条件でした。
仮に、これから株主になるなら、最短で「9月26日購入→27日売却」で配当の権利がゲットできます。
・9月26日購入・・・配当金がもらえる(権利付最終日)
・9月27日購入・・・配当金がもらえない(権利落ち日)
一般的に、配当金がもらえる銘柄は、権利付最終日を過ぎると、その金額の分だけ株価が下がります。この現象を「配当権利落ち」と言います。
ところが、ポラテクノは権利付最終日と権利落ち日がTOB期間と重なります。株価が下がったら、ポラテクノの株主になってTOBに申し込めば、日本化薬が993円で買い取ってくれます。買値との差額が儲かるわけです。
以上を踏まえて、ポラテクノの株価を見てみましょう。
ポラテクノ日足チャート
9月4日終値997円。このところ、997~998円で推移しています。「TOB価格+α」のパターンです。
過去の事例では、上場廃止予定のTOB銘柄の株価は、TOB価格の99.5%程度で推移します。
993円×99.5%=988.035円
配当金の1株7.5円を足すと995.535円なので、配当金が現在の株価に反映されていることがわかります。
4円を使って、7.5円の配当金の権利をもらう
仮に、997円で100株買って、ポラテクノの株主になったとします。
その後、TOBに参加して(申し込んで)、日本化薬に993円で買い取ってもらいます。
・取引(売値993円-買値997円)×100株=-400円
・配当金:7.5円×100株=+750円
・合計:750円-400円=350円
ポラテクノの取引では、「-4円×100株=-400円」が損失になります。
しかし、配当金が「7.5円×100株=750円」もらえるので、差し引きして「750円-400円=350円」が儲けです。
実際には、これに売買手数料と税金がかかるので、手取りはもっと少なくなります。
ポラテクノのTOBはカブドットコム証券で手続きを行うので、新規口座開設の場合は手数料が1万円までキャッシュバック(2019年9月30日まで)されます。
手数料を節約するなら、カブドットコム証券で買って、TOBに申し込むのが手堅いでしょう。