カブドットコム証券の配当タダ取りについて
カブドットコム証券の上場廃止と株主優待、株主の今後についての続きです。
2月12日、KDDIはカブドットコム証券に対して、TOB(株式公開買付)を行うと発表しました。
TOB価格は559円、TOB期間は未定で、2019年4月下旬開始予定です。
手続きが順調に進むと、カブドットコム証券は上場廃止になります。
ただ、2019年3月期の期末配当が1株6円もらえるので、いつも違う条件でした。
仮に、これから株主になるなら、最短で「3月26日購入→27日売却」で配当の権利をゲットできます。
・3月26日購入・・・配当金がもらえる(権利付最終日)
・3月27日購入・・・配当金がもらえない(権利落ち日)
一般的に、配当金がもらえる銘柄は、権利付最終日を過ぎると、その金額の分だけ株価が下がります。この現象を「配当権利落ち」と言います。
ところが、カブドットコム証券は、この後でTOBが控えています。株価が下がったら、カブドットコム証券の株主になってTOBに申し込めば、KDDIが559円で買い取ってくれます。買値との差額が儲かるわけです。
以上を踏まえて、カブドットコム証券の株価を見てみましょう。
カブドットコム証券日足チャート
2月22日終値561円。このところ、560円~562円で推移しています。優待タダ取りのときに紹介した「TOB価格+α」のパターンです。
過去の事例では、上場廃止予定のTOB銘柄の株価は、TOB価格の99.5%程度で推移します。
559円×99.5%=556.205円
配当金の1株6円を足すと562.205円なので、配当金が現在の株価に反映されていることがわかります。
3円を使って、6円の配当金の権利をもらう
仮に、562円で100株買って、カブドットコム証券の株主になったとします。
その後、TOBに参加して、KDDIに559円で買い取ってもらいます。
・取引:(売値559円-買値562円)×100株=-300円
・配当金:6円×100株=+600円
・合計:600円-300円=300円
カブドットコム証券の取引では「-3円×100株=-300円」が損失になります。
しかし、配当金が「6円×100株=600円」もらえるので、差し引きして、「600円-300円=300円」が今回の儲けです。
実際には、これに売買手数料と税金(所得税・住民税・特別復興所得税)がかかるため、手取りはもっと少なくなります。
売買手数料が安いネット証券を利用して、559円~560円で買えるなら、試してみる価値はありそうです。