カブドットコム証券の上場廃止と株主優待、株主の今後について
KDDIのカブドットコム証券出資報道の続きです。
2月12日取引終了後、東証1部上場のKDDI(9433)がカブドットコム証券に対して、TOB(株式公開買付)を行うと正式発表しました。
KDDI株式会社の完全子会社であるLDF合同会社による当社株券等に対する公開買付けの開始予定に関する意見表明及び業務提携に関するお知らせ
2019年3月期期末配当予想及び2020年3月期中間配当予想に関するお知らせ
TOB価格は559円。TOB期間は未定で、2019年4月下旬開始予定です。
手続きが順調に進むと、カブドットコム証券は上場廃止になります。これに伴い、TOB成立を条件に2020年3月期の中間配当が無配になります。
ただ、2019年3月期の期末配当は1株6円もらえます。
カブドットコム証券の株主は、TOB(株式公開買付)に参加して、559円で保有株を買い取ってもらうか、もしくは、株価が559円に近づいたら、株式市場で売却することができます。
カブドットコム証券の今後の株価について
2月13日終値560円。株価がTOB価格にサヤ寄せしました。
今後、559円近辺で横ばいが続く見込みです。もしかすると、配当金がもらえるので、配当権利落ち(3/26→3/27)の影響があるかもしれません。
TOBに参加するメリットについて
メリットは、TOB価格559円で買い取ってもらえること、TOBの手続きを経験できることです。
TOB期間等の詳細が未定ですから、具体的な内容は発表後になります。
カブドットコム証券の株主優待について
カブドットコム証券の株主優待は、売買手数料の割引です。保有株数・保有期間に応じて、カブドットコム証券の現物取引手数料が安くなります。
TOB発表時点で優待廃止の発表はありません。このまま継続すると思います。
しかし、カブドットコム証券が上場廃止になると株主優待も廃止されます。
もちろん、上場廃止前に優待廃止の発表があれば、なくなります。
カブドットコム証券の株主の今後について
カブドットコム証券月足チャート
月足チャート10年分です。リーマンショック以降に買った投資家は含み益の状態です。
ただ、正式発表前に報道されたことで、株価が先取りしてしまいました。TOB価格に物足りなさを感じるかもしれません。
(1)含み益たっぷりの投資家・・・TOB参加申込
(2)優待投資家・・・優待廃止後に乗り換え
(3)資金回収を急ぐ投資家・・・株式市場で売却
(1)3月末の株主は配当金(1株6円)がもらえます。また、TOB開始が2019年4月下旬です。いつも利用するネット証券で手続きができると良いですね。
(2)カブドットコム証券の株主優待は特殊なので、優待目当ての投資家は現時点で乗り換える必要はないと思います。優待がなくなったら、別のネット証券で優待をもらうと良いでしょう。
楽天(4755)、マネックスグループ(8698)、GMOフィナンシャルホールディングス(7177)などに類似の優待があります。
(3)配当金をどうするかがポイントです。配当金をもらう方がトクだと思ったら、3月27日以降に売ると良いでしょう。「資金回収を急ぐ」ではないですが・・・。