廣済堂、TOB価格を上回る株価上昇(※変更あり)
廣済堂のMBOによる上場廃止と株主優待、株主の今後についての続きです。
MBO(経営陣等による自社買収)により、上場廃止を予定している廣済堂(7868)。
TOB価格は610円。TOB期間は2019年1月18日から3月12日までの37営業日です(※期間延長)。
一般的に、上場廃止を予定しているTOBの場合、株価はTOB価格付近で横ばいが続きます。
ところが、廣済堂は1月29日からTOB価格を超えて上がり始めました。
廣済堂日足チャート
1月29日終値635円。この日は660円の高値を付けました。
現在、TOB期間中なので、TOBに参加(申し込み)した投資家の分だけ、株式市場に流通する株数が少なくなります。
さらに、廣済堂は、もともと出来高が少ない銘柄でしたから、少ない買い注文で株価が上がりやすくなっています。
TOB価格を上回る株価で買っている投資家は誰でしょうか?
仮に、第三者が水面下で買い占めているのであれば、5%になった時点で大量保有報告書が出てきます。別の投資ファンド? が姿を現すでしょう。
また、単にマネーゲームが行われているだけの可能性もあります。
この場合、TOB価格より高い値段で買って、さらに高い値段で他の投資家に売りつけようとしているだけですから、上場廃止が決定した時点で株価がTOB価格付近まで戻ります。
最後まで売れなかった投資家が損失「(TOB価格-株価)×株数」を抱え込むことになります。トランプのババ抜きです。
いずれにせよ、MBO発表前の株主にとって損のない出来事です。
うまくいけば、TOB価格が800円くらいに上がるかもしれませんし、今の株価で売ってしまう選択もアリです。
(1)含み益たっぷりの投資家・・・TOB参加申込
(2)含み損の投資家・・・TOB価格引き上げを期待して様子見
(3)優待投資家・・・TOB期間終了後に別銘柄に乗り換え
(4)資金回収を急ぐ投資家・・・株式市場で売却
前回同様、この判断で大丈夫だと思います。