昭和シェル石油の上場廃止と株主の今後について
暗礁に乗り上げていた出光興産(5019)と昭和シェル石油(5002)の経営統合が再び動き始めました。
7月10日11時、両社は株式交換による経営統合を発表します。
出光興産が完全親会社、昭和シェル石油が完全子会社となる株式交換です。昭和シェル石油は2019年3月29日に上場廃止(予定)となります。
重要な株式交換比率は未定で、2018年10月に発表する予定です。
出光興産と昭和シェル石油の株価
出光興産日足チャート
7月10日終値4,290円。報道後の高値を更新しました。
昭和シェル石油日足チャート
7月10日終値1,682円。こちらは報道後の高値に届いていません。
比率が決まっているときは、両社の株価は比率と同じ水準で安定します。しかし、まだ未定ですから、思惑的な取引で不安定な値動きになる可能性があります。
出光興産と昭和シェル石油の時系列株価
日付 | 出光興産 (5019) |
昭和シェル (5002) |
比率 |
---|---|---|---|
6/26 | 3,505 | 1,592 | 0.45 |
6/27 | 3,980 | 1,728 | 0.43 |
6/28 | 4,040 | 1,663 | 0.42 |
6/29 | 3,950 | 1,653 | 0.42 |
7/2 | 3,850 | 1,604 | 0.42 |
7/3 | 3,925 | 1,628 | 0.41 |
7/4 | 3,930 | 1,635 | 0.42 |
7/5 | 3,795 | 1,582 | 0.42 |
7/6 | 3,765 | 1,546 | 0.41 |
7/9 | 3,810 | 1,534 | 0.40 |
7/10 | 4,290 | 1,682 | 0.39 |
報道前の6月26日から7月10日までの株価です。
右側の比率は、出光興産を「1」としたときの昭和シェル石油の比率です。この数字が大きくなると昭和シェル石油が有利に、小さくなると出光興産が有利になります。
ご覧の通り、報道前(6/26:比率0.45)に比べて出光興産の株価が大きく上昇。この発表で出光興産の株主が昭和シェル石油の株主より儲かりました(7/10:比率0.39)。
もちろん、正式な株式交換比率は未定ですから、出光興産に不利な数字が10月に発表されると、出光興産の株価が急落し、昭和シェル石油の株価が急騰する可能性もあります。
比率を正しく計算できる投資家ほど有利な状況です。
昭和シェル石油の株主の今後について
昭和シェル石油の株主は、保有株が出光興産の株に換わります。
ただし、株式交換比率が発表されていないので、詳細はわかりません。
最初の報道から3年以上待って、さらに比率の発表待ちになるのは本当に気の毒です。
今度こそ、うまくいくと良いですね。