日立国際電気へのTOB価格引き上げ
米国ヘッジファンドが日立国際電気株をさらに買い増しの続きです。
11月24日、KKRは、日立国際電気(6756)へのTOB価格を引き上げました。
TOB価格は3,132円となり、TOB期間も10月12日(木)から12月8日(金)までの40営業日に延長されました。TOBに参加すると、12月15日(金)以降に投資資金が戻ってきます。
エリオットの取得単価が2,740円前後で、TOBに応じれば14%、株式市場で売れば2割程度の利益になるそうです。
ただ、8%超の保有株を株式市場で売ることはできないですから(株価が暴落する)、TOBに応じるか、もしくは別の方法を採るでしょう。
株式市場で売却orTOB参加のメリット・デメリット
株式市場で売却する場合とTOBに参加(申込)する場合とのメリット・デメリットは次の通りです。
株式市場で売却 | TOBに参加する | |
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メリット | (1)最も高い値段で売れる | (2)TOB価格で売れる |
デメリット | (3)売却後に上がると儲け損なう | (4)TOB失敗で返却される |
(1)株価がTOB価格を上回って推移しているため、株式市場で売却すると利益が大きくなります。
(2)仮に株価がTOB価格を下回った場合、TOB価格で売れると市場で売るより利益が大きくなります。
(3)株式市場で売却後に、さらに株価が上昇したり、TOB価格が引き上げられたりすると、儲け損ないます。
(4)参加者が少なくてTOBが失敗すると、申し込んだ投資家の保有株はすべて返却されます。
日立国際電気日足チャート
11月27日終値3,270円。前日比60円安でした。株価が値下がりしたとは言え、まだTOB価格を上回っています。
「TOB価格がさらに引き上げられるのか?」「TOBは成功するのか?」「エリオットはTOBに申し込むのか?」
投資家それぞれの思惑が絡み合って、非常に興味深いです。管理人が株主であれば、「静観」ですかね。