富士通ビー・エス・シーの上場廃止と株主の今後について
10月26日、東証1部上場の富士通(6702)が、富士通ビー・エス・シー(4793)を株式交換で完全子会社化すると発表しました。
富士通ビー・エス・シーは2018年1月29日(月)に上場廃止になります。売買最終日は1月26日(金)です。
重要な株式交換比率は、富士通「1」に対して、ビー・エス・シー「1.63」です。上場廃止後、ビー・エス・シー1株は富士通1.63株に換わります。
富士通ビー・エス・シーの株価について
両社の株価は「1」と「1.63」とほぼ同じ水準まで近づきます。この現象をサヤ寄せといいます。
その後、この比率で釣り合うように動きます。
富士通ビー・エス・シー日足チャート
10月27日終値1,366円。前日比66円高(+5.08%)でした。
富士通日足チャート
10月27日終値847.5円。前日比60.7円安(-6.68%)でした。
仮に富士通の株価が下がらなければ、富士通ビー・エス・シーの株価はもっと上がっていたはずです。富士通が900円だとすると
900円×1.63=1,467円
となります。今よりずっと高いです。
今回、富士通の株価が急落した要因は、同時に発表された決算だと言われています。
2017年4月から9月まで6ヶ月間の進捗率(進み具合)が悪いとのことで大きく売られました。通常、4月~6月で年間目標の25%、7月~9月で50%、10月~12月で75%、翌年1月~3月で100%と数字が増えます。
富士通は目標に届かないのではないかと不安視されています。
なお、株式交換による完全子会社化では、発表直後に、親会社となる企業の株価が下がる傾向があります。そちらの要因も影響しているでしょう。
株主の今後について
富士通ビー・エス・シーの株主は、上場廃止以降、保有株が富士通株に換わります。富士通ビー・エス・シー100株は、富士通163株になります。
富士通は100株単位で取引するので、63株が単元未満株です。
単元未満株は、SBI証券やマネックス証券などのネット証券を利用すれば普通に売買できます。単元未満株でも株数に応じて配当金がもらえるので問題ありません。
今回のケースは株数が増えるので、そのまま富士通の株主になって良いかもしれません。
株式交換比率の数字が良くなったり、TOBに切り替えたりと、条件が良くなれば言うことなしですが、さて、どうなるでしょうか。