日立国際電気のTOB延期について
日立国際電気の上場廃止と株主の今後についての続きです。
8月9日取引終了後、投資ファンドが日立国際電気(6756)に対して行う予定だったTOB(株式公開買い付け)を延期すると発表しました。
下のチャートを見ると、その理由がわかると思います。
日立国際電気日足チャート
日足チャート6ヶ月分です。TOB価格2,503円に黄色の線を引いています。
8月14日終値2,834円でした。TOB開始までの手続きに時間がかかっている間、日立国際電気の株価がドンドン値上がりしています。
さらに、後押しするかのように、会社側が業績の上方修正を発表しました。
こうなると、TOB価格の妥当性が揺らぎ、株価上昇が思惑的な取引によるものか、業績を反映したものか、わからなくなってしまいます。
結局、ファンド側はTOBの延期を発表し、実施するか否か、その時期についても未定となりました。
TOB価格引き上げを期待して買い進めると、逆にTOB開始が遠のくとは、なんとも皮肉なことです。
もちろん、TOB発表前の株主であれば、含み益たっぷりなので、どのような結果になっても焦ることなく株価を眺めていられそうですが・・・。