パナホームとソレキア、投資家の思惑について
パナホーム
4月21日、パナソニック(6752)はパナホーム(1924)に対して、TOB(株式公開買い付け)による完全子会社化を発表しました。TOB価格は1,200円です。
パナホーム日足チャート
直近2ヵ月分の日足チャートです。4月24日終値1,229円。TOB価格を上回っています。
通常、上場廃止予定のTOBの場合、株価がTOB価格を上回ることはあまりありません。投資ファンドがパナホームの大株主になっているため、TOB価格の引き上げを期待している可能性があります。
投資ファンドの動向を見たいときは、EDINETで書類検索の空欄に「パナホーム」と入力し、「大量保有報告書」にチェックを入れて、「検索」ボタンをクリックすると結果が出てきます。
株数の増減で株価が変化するかもしれないので、パナホーム株主は要チェックです。
ソレキア
4月21日、富士通(6702)は、ソレキアへのTOB価格(5,000円)を引き上げないと発表しました。
ソレキア2017年4月21日・24日5分足チャート
2日分の5分足チャートです。TOB価格に線を引いています。上が佐々木ベジ氏のTOB価格5,300円、下が富士通のTOB価格5,000円です。
24日取引開始直後、富士通がTOB価格を変えないことがわかり、TOB合戦終了を見越して投資家の売りが殺到しています。9時34分に4,995円の安値をつけました。富士通のTOB価格5,000円を下回っています。
その後、反発し、高値5,250円まで戻しています。佐々木ベジ氏のTOB価格5,300円に近づきました。
おそらく、現在の値段でソレキアを購入し、佐々木ベジ氏のTOBに申し込む投資家がかなりいると思われます。
仮に5,250円で買ってTOBに申し込むと、「50円×株数」が儲けとなります(購入手数料除く)。
ただし、「富士通がソレキアのTOB期間を延長」で紹介したように、佐々木ベジ氏のTOBは申込者が多いと全ての株を買い取ってもらえません。
しかし、これだけ買っているということは、申込者の株数が上限に達することはないという読みでしょう。もちろん、成功するかわかりません。
これからも投資家の駆け引きが見られそうです。