ベスト電器の上場廃止と株主の今後、株主優待について
4月12日、東証1部上場のヤマダ電機(9831)は、ベスト電器(8175)を株式交換で完全子会社化すると発表しました。
ベスト電器は2017年6月28日に上場廃止となります。売買最終日は6月27日です。
最も重要な株式交換比率は、ヤマダ電機「1」に対して、ベスト電器「0.28」です。上場廃止後、ベスト電器1株は、ヤマダ電機0.28株に換わります。
ベスト電器の株価について
今後、両社の株価は「1」:「0.28」でほぼ釣り合うように動きます。本日の終値がヤマダ電機550円、ベスト電器154円です。
550円×0.28=154円
となり、発表前の株価がすでに釣り合った状態になっています。とても珍しい現象です。
しかし、ベスト電器が割安ではないので、サヤ寄せによる儲けはありません。ヤマダ電機の株価が上がって、いっしょに上がることを期待しましょう。
株主の今後について
ベスト電器の株主は、上場廃止以降、保有株がヤマダ電機株に換わります。ベスト電器100株は、ヤマダ電機28株になります。
ヤマダ電機は100株単位で取引するので、28株だと単元未満株です。
単元未満株は、SBI証券やマネックス証券などのネット証券では、割安な手数料で売買できます。ベスト電器をこれらのネット証券で買っていれば、全く問題なくヤマダ電機株を持ち続けても良いと思います。
単元未満株でも、株数に応じて配当金がもらえます。
ヤマダ電機とベスト電器の株主優待について
問題は株主優待です。
ヤマダ電機の株主優待
(3月末)
・100株・・・500円割引券×2枚
・500株・・・500円割引券×4枚
・1,000株・・・500円割引券×10枚
・1万株・・・500円割引券×50枚
※1,000円以上の買い物につき、1枚利用可能。
※1年以上継続保有で3枚追加、2年以上で4枚追加
(9月末)
・100株・・・500円割引券×4枚
・500株・・・500円割引券×6枚
・1,000株・・・500円割引券×10枚
・1万株・・・500円割引券×50枚
※1,000円以上の買い物につき、1枚利用可能。
※1年以上継続保有で1枚追加
ヤマダ電機の株主優待は500円分の割引券です。1,000円の買い物につき1枚の割引券が使えます。
ヤマダ電機の優待は人気が高く、NISA口座でもよく取引されています。
ベスト電器の株主優待
(2月末)
・100株・・・500円割引券×10枚
・2,500株・・・500円割引券×30枚
・5,000株・・・500円割引券×50枚
・25,000株・・・500円割引券×60枚
・5万株・・・500円割引券×100枚
※5,000円ごとに1枚利用可能
ベスト電器の株主優待も500円割引券です。こちらは5,000円の買い物ごとに1枚使うことができます。
6月28日上場廃止ですから、前回2017年2月末の株主優待が最後です。
優待がもらえる条件の違いについて
今回の株式交換による完全子会社化により、両社の優待条件達成にズレが生じてしまいました。
ベスト電器の株主がそのままヤマダ電機の株主になったとしても、ヤマダ電機の優待の条件を達成するには株数が足りなかったり、多すぎたり、と中途半端な数字になってしまいます。
(具体例)
・ベスト電器100株→ヤマダ電機28株(100株に足りない)
・ベスト電器2,500株→ヤマダ電機700株(500株より多い)
・ベスト電器5,000株→ヤマダ電機1,400株(1,000株より多い)
・ベスト電器25,000株→ヤマダ電機7,000株(1万株に足りない)
・ベスト電器5万株→ヤマダ電機14,000株(1万株より多い)
管理人がベスト電器の株主であれば、ベスト電器を売却して一度現金化し、その後にヤマダ電機を買うかどうか考えると思います。