日立工機のTOBと株主の今後について(2)
日立工機のTOBと株主の今後について(1)の続きです。
昨日1月24日は、日立工機の特別配当金の権利付最終日でした。日立工機のTOB価格は1,450円、うち特別配当金580円が含まれます。24日までに日立工機の株主になれば、この580円がもらえました。
そして本日25日。権利落ち日ですので、これから買っても特別配当金はもらえません。
・1月24日までに買った株主・・・特別配当金アリ
・1月25日以降に買った株主・・・特別配当金ナシ
となります。
一般的に、配当権利落ちになると、配当金の分だけ株価が下がることになります。実際には、配当金以上に値下がりするケースもあります。
日立工機の24日終値は1,402円。特別配当金580円を差し引くと、25日の基準値は822円となります。この822円が出発点です。
日立工機1月25日株価
始値866円、高値869円、安値865円、終値868円でした。
1,450円から特別配当金580円を差し引くと870円です。株価もこの価格に限りなく近づきました。配当金の権利があるときは、1,450円からかなり下回る株価だったのに、配当金の権利がなくなると、TOB価格とほとんど同じになる。
つまり、特別配当金の存在がネックだったことがわかります。
日立工機日足チャート
直近3ヶ月の日足チャートです。
こうやってみると、24日から25日の変化は“ナイアガラの滝”状態です。580円分のインパクトはすごいです。ただ、株主が損をしたわけではありません。株価の値下がり分が特別配当金になっただけです。
今後、日立工機の株価は、上場廃止まで870円付近で横ばいになる見込みです(手続きが順調に進めば)。
日立工機の株主の今後について
日立工機の株主は、TOBに参加して保有株を870円で買い取ってもらうか、もしくは株式市場で売却することができます。
前回書いたように、管理人が株主であれば、TOBに参加して保有株を買い取ってもらいます。こういう経験はほとんどないですし、TOBの中でもかなり珍しい事例です。
もちろん、これから株主になってTOBに参加することもできます。儲けは少ないですが、「(870円-買値)×株数-売買手数料」が利益となる可能性があります。
そのときはカブドットコム証券で取引することをオススメします。保有株を移管する(移動する)手間が省けます。
いずれにしても、TOBに参加(申込)するときはカブドットコム証券の口座が必要です。
TOB期間は1月30日(月)から3月22日(水)まで。考える時間はたっぷりありますが、移管手続きに日数がかかります。TOBに参加予定の方は、お早めにどうぞ。
(追記)リバウンド狙いの投資家について
1月25日の値下がり率ランキングで日立工機がトップになりました。ランキングを見て、リバウンド狙いで買う投資家がいると思います。タカタの例があるので儲かるかもしれないと判断しているのでしょう。
でも、株価がほとんど動かないから、焦れて撤退、になる気がします。すごいマネーゲームが起きれば興味深いですが、ムリじゃないですかね。