ミネルヴァ・ホールディングス(3090)
以前、個人情報の流出でヤフーのトップニュースになったミネルヴァ・ホールディングス(3090)のつづきです。
ミネルヴァ(3090)のIR情報その他
当社連結子会社における不正アクセス発生に関するご報告とお詫び(8月6日)
ミネルヴァ・ホールディングス株式会社 Eコマース(インターネット通信販売)週次速報(平成20年8月11日~8月17日)
「ミネルヴァ」と言うよりも、「ナチュラム」と言った方がわかりやすいと思いますが、こちらのサイトが外部からの不正アクセスにより、クレジットカードを含む個人情報が大量に流出しました。
個人情報の流出の恐れがあったのは08年7月、正式にその事実を公表したのは8月6日です。本日、この事件を発表した後のサイト利用状況が反映されたIR情報が出てきました。
それが↑のリンクにあるミネルヴァ・ホールディングス株式会社 Eコマース(インターネット通信販売)週次速報(平成20年8月11日~8月17日)です。
一番のポイントは表の真ん中「訪問者数(件)」です。8月第2週は72万8269件あったサイトの訪問者の延べ人数が、第3週には59万465件に大きく減少しています。
週次速報ですので、一時的な減少の可能性がありますが、この辺は注意深くチェックしておく必要があるでしょう。
また、月1回のペースで「Eコマース月次速報」が出ています。月次速報には、売上高・出荷件数・会員数の前年同月比の伸び率が表示されています。
ここ2~3ヶ月は前年比120~130%の増加で推移していますが、この数字が大きくマイナスに変化してくると要注意です。次回の発表(8月分が反映された情報)は9月上旬になると思います。
ミネルヴァの株価
上記事件が公表された後、ミネルヴァの株価は乱高下しています。できることなら「割安か?」・「割高か?」と判断したいところですが、株価を考えるために必要な情報はほとんどありません。
例えば、第1四半期決算(6月13日)で発表された「1株当たり純資産」。
こちらには1株につき85531.78円の純資産があると書かれています。今日の終値(8月26日)は41000円ですから、
PBR=41000円÷85531.78円= 0.479倍
となり、1倍割れの水準です。0.5倍より小さい数字ですから、一見すると「割安だ」と判断したくなるかもしれません。
ただし、この数字は事件後の状況が全く反映されていません。上記SQLインジェクション(ウィキペディア)を見ると、サイトの復旧コストや個人情報の流出に関する補償等に相当な費用がかかることが予想されます。
おそらく、次回7月中間決算が発表されるとき、もしくは、それまでに業績の下方修正が出てくると思います。
また、「現金及び現金同等物を1月末時点で4億5000万円、4月末時点で3億6600万円保有しているから大丈夫。」という意見も上記と同じ理由で全く当てになりません。
キャッシュがすでに不足しているかもしれませんし、それを増資で対応したら発行済み株数の増加によって株価の下落が起こるかもしれません。
もし、この企業の復活を期待して購入するのであれば、少なくとも、損失額が確定する来年3月以降まで待つのが賢明ではないでしょうか。